1〜2月は1年でもっとも寒い時期です。冬が苦手な人でも出かけるために、寒さが苦手なライターがキャンプ地を選ぶときに考えたことや、実際の経験から最適な条件を解説します。ぜひ、冬キャンプの場所を検討する際の参考にしてみてください。

日本で寒くない地域はどこ?

【​​冬キャンプ】寒くない場所選びのポイントを日本の地形から考察して解説
(画像=Photo byHans、『暮らし〜の』より 引用al.jpg)

日本は南北に長く、地域によって気温や積雪量が大きく異なります。気温が高く、積雪が少ない場所のポイントには以下のようなものが挙げられるでしょう。

・日本列島を山脈で分けて太平洋側 ・太平洋に面した地域(瀬戸内海や房総半島) ・亜熱帯気候の地域(南西諸島)

日本の降雪量と年間平均気温

札幌:630cm(9.2℃)
仙台:90cm(13.5℃)
東京:13cm(16.4℃)
名古屋:13cm(16.9℃)
大阪:3cm(17.5℃)
高松:4cm(17.3℃)
福岡:5cm(18.0℃)

参考:JICE、気象庁

日本の主要都市の年間降雪量と平均気温を見ると、北から南へと降りるに従って降雪量は少なく、年間平均気温は上昇しています。つまり、山あいを避けて太平洋側へ南下すると温かく過ごせる場所を選べるといえるでしょう。

日本の気候について

【​​冬キャンプ】寒くない場所選びのポイントを日本の地形から考察して解説
(画像=Photo bySanta3、『暮らし〜の』より 引用)

日本列島の多くは「温暖湿潤気候」に属しています。四季があり、夏は高温多雨、冬は寒く乾燥するのが特徴です。夏は南東から季節風が吹くため、太平洋側では雨が多く降ります。冬は北西から季節風が吹くため、日本海側では雪が多く降りやすい傾向です。

降雪と地形の関係

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(画像=Photo bypen_ash、『暮らし〜の』より 引用)

日本海側では雪が多く、太平洋側で少ないのは、日本の地形と日本海に流れている対馬海流が関係しています。日本で雪を降らせるのは「西高東低」と呼ばれる場合です。日本列島の西側に高気圧、東側に低気圧があるとき、シベリアから日本へ向かって、北西から乾燥して冷たい季節風が吹き込みます。

対馬海流をこえるときに雪雲ができる

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(画像=Photo byka52ah64d、『暮らし〜の』より 引用)

この風が日本海をわたるとき、暖流の対馬海流とぶつかります。水温よりも気温の方が低いため、日本海から熱と水分を吸収し、湿った雪雲を形成して日本海側の地域に雪を降らせます。さらに、湿った季節風は日本海側と太平洋側に分ける高い山脈にぶつかり、空気に含まれていた水分が雪となって、日本海側に降っていきます。

山脈をこえると乾いた風になる

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(画像=Photo by Kentaro Ohno、『暮らし〜の』より 引用)

風が山脈をこえて太平洋側までやってくるころには、水分が少ない乾いた状態へと変化しています。このため、太平洋側では雲がなく晴れた天気が多い傾向です。太平洋に面した東京や静岡は、日本海側との間に標高が高い山脈がありますし、日本海からの距離が長いため、雪雲のほとんどは届きません。

場所によっては太平洋側でも雪が降る

【​​冬キャンプ】寒くない場所選びのポイントを日本の地形から考察して解説
(画像=Photo by noriming、『暮らし〜の』より 引用)

日本海側・太平洋側と分けても、場所によっては山脈や山地が低い盆地があります。たとえば、関ヶ原(岐阜県)や篠山(兵庫県)、三次(広島県)などの盆地です。これらの地域では、雪雲が低い山を乗りこえて、太平洋側や瀬戸内海まで雪を降らせることがあります。