三大流星群の1つ「しぶんぎ座流星群」。
この流星群は、正月の頃に極大な流星も見られる流星群です。
年末年始の風物詩とされることもあります。
ところでこの流星群の名前に入っている「しぶんぎ座」とは何でしょうか?
星座のような名前ですが、そんな星座聞いた事もありません。
そこでここでは、そんな「しぶんぎ座」について見ていきましょう。
「しぶんぎ座流星群」とは

まずは、しぶんぎ座流星群がどのようなものなのかを見ていきましょう。
新年最初に見られる流星群
しぶんぎ座流星群とは、うしかい座とりゅう座の境界付近から出現する流星群のことです。
この流星群は、正月の時期にに見られるます。
その規模から、ペルセウス座流星群・ふたご座流星群と並ぶ三大流星群の1つとされています。
いつ頃見られる流星群なの?
しぶんぎ座流星群が見られるのは、12月28日から1月12日ごろです。
特に1月4日頃になると極大をむかえます。
なので、観測の見ごろもこの頃になります。
極大時には、1時間あたり20~40もの流星が観測されます。
活発な年にもなると、1時間に60前後の流星が出現することもあるのだとか。
ちなみに、ピークが夜ではなく昼となることもあります。
その場合は、多くの流星は観測できないなんてこともあるようです。
2022年末から2023年にかけてのしぶんぎ座流星群も、極大となるのは1月4日になるようです。
しかし、正午ごろがピークとなることから、観測条件はあまりよくないものとなる見込みのようです。
「しぶんぎ座」なんて星座あったっけ?

そもそも星座にしぶんぎ座などあったでしょうか?
その点が気になる方も多いかと思います。
ここからは「しぶんぎ座」の存在について見ていきましょう。
幻の星座「しぶんぎ座」
しぶんぎ座は、幻の星座とされています。
1795年、フランス人天文学者ラランドが設定した星座です。
現在は使われていないため、幻の星座とされています。
現在のうしかい座・りゅう座の境界付近にあったそうです。
「しぶんぎ」ってなに?
しぶんぎは、漢字表記すると「四分儀」となります。
これは、天文学で天体位置を観測するために使われる道具です。
「象限儀」といわれることもあります。
円の4分の1となる扇形をした定規に、照準類がついた道具となっています。
地平線から観測する星までの角度を測る他、条件がそろっていれば時間を調べるのにも使えます。
神話はあるの?
星座には神話がつきものです。
特にギリシャ神話に紐付けられることがおおいです。
しかし、しぶんぎ座には特にそういった物語はありません。
とはいえ、謂れのようなものはあります。
フランスの天文学者のジェローム・ラランドは、甥と共に北天の50,000個以上の恒星の位置を観測しました。
この観測の際に使っていた「しぶんぎ」を星座として1795年に独自に設定したのです。
つまり、甥とともになした実績の記念というわけですね。
正式なしぶんぎ座が流星群の名前になっている理由
正式な星座ではなかった「しぶんぎ座」が、わざわざ流星群の名前に入っているのは、流星群の見られる位置に関係しています。
しぶんぎ座流星群が姿を見せるのは、うしかい座とりゅう座の境界付近というのは前述のとおりです。
そして、この場所はこちらも前述した「しぶんぎ座」をかつてラランドが設定したエリアの付近なのです。
この関係性から、2009年の国際天文学連合総会において、しぶんぎ(英単語"Quadrant")を由来とする"Quadrantids"が正式名称となりました。