ぬらりくらりして要領を得ないことをあらわす「瓢箪鯰」。
この言葉は、ナマズを捕まえようとする際の様子から来た言葉です。
では、どのような描写から来たのか。
その意味や由来について見ていきましょう。
「瓢箪鯰」とは

(画像=『FUNDO』より引用)
まずは「瓢箪鯰」の意味について見ていきましょう。
「瓢箪鯰」の意味
「瓢箪鯰」は、ぬらりくらりとしているため要領を得ない物事やとらえどころのない様子。
掴みどころのない人物に対して用いられます。
特に江戸時代の町人たちの間で用いられた表現とされています。
「瓢箪鯰」の由来

(画像=『FUNDO』より引用)
では「瓢箪鯰」はどのようにして生まれた表現7日、その成り立ちについて見ていきましょう。
歌舞伎作品から
「瓢箪鯰」は、歌舞伎所作事の一種とされています。
町人文化が発展した江戸時代の文政年間。
文政11年3月に、歌舞伎の江戸三座のひとつ中村屋によって「拙筆力七以呂波」という作品が演じられました。
七変化舞踊であったこの拙筆力七以呂波の中にあったのが「瓢箪鯰」です。
元になったのは絵
この「瓢箪鯰」、原型となったのは画僧・如拙が描いた、国宝となっている水墨画「瓢鮎図」とされています。
この絵には、瓢箪を手にして鯰を捕まえようとする男性の姿が描かれています。
鯰はヌルヌル、瓢箪はツルツルとしているのでどちらも滑りやすいです。
そのため、瓢箪で鯰を捕まえようだなんて到底無理、不可能なように思われますが・・・。
これは、鯰を瓢箪でもって捕まえるにはどうしたらいいかという禅の公案から来ているとされています。
描かれたのは室町時代、応永22(1415)年に時の将軍・足利義持の命によって描かれたのだそうです。