メルボルン・レクタンギュラー・スタジアム 写真:Getty Images

第9回FIFA女子ワールドカップ(女子W杯)オーストラリア&ニュージーランド大会が、いよいよ今年(2023年)7月20日から8月20日まで開催される。これまでに日本を含めた29カ国の出場が決まっており、残りの3枠の出場チケットをかけて2月17日から23日には大陸間プレーオフが開催される。

女子サッカーの歴史に大きな影響を及ぼす重要な節目と言われている同大会。大陸間プレーオフの方式も含めて歴史上初の試みが数多く存在し、選手や関連業界やサポーターなど世界中の人々からの期待と注目を集めている。

この記事では、そんな女子W杯史上初の取り組みの中から「2カ国共同開催」に焦点を当てると共に、試合が開催される2カ国にまたがる全9都市10スタジアムをご紹介していこう。


日本代表 MF岩渕真奈 写真:Getty Images

女子W杯2カ国共同開催の良い点と苦労する点

既に多くの方がご存知だと思うが、第9回となる同オーストラリア&ニュージーランド大会は女子W杯では初となる2カ国共同開催であり、初の南半球開催でもある。ちなみに過去の開催国は、1991年の中国から始まり、1995年スウェーデン、1999年・2003年アメリカ、2007年中国、そしてサッカー日本女子代表が初優勝を果たした2011年はドイツ、2015年カナダ、2019年フランスだ。

2カ国共同開催の良い点としては、2カ国に渡る大規模な開催になることで、女子サッカーの魅力を更に世界中に拡散できるということがあげられる。また、国同士が協力し合って世界中から多くの観客を呼び、土地の文化に触れてもらうなどすることで、国際交流のきっかけとなることも予想できる。もちろんスタジアム含め多くの準備にかかる費用は莫大となるが、それを上回るチケット売り上げや、宿泊や商業施設利用、大会関連グッズ販売などによる一般的な売り上げも期待できる。何より女子サッカーの存在を広く知ってもらうという部分が非常に重要なことだ。

一方で、2カ国開催で少し苦労する点を考えると、現地観戦予定者にとってのスケジュール管理となるだろう。いつどちらの国の、どこのスタジアムで目当ての試合が行われるのかを十分に確認しておく必要がある。また、南半球と北半球は季節が真逆になるため(開催時の現地の季節は冬)やや日本人にとっては困惑してしまう部分もある。しかし日本国内で視聴を予定している者にとっては、大幅な時差がないため寝不足の可能性も低く比較的にストレス無く大会を楽しむことができそうだ。

ではそんな2カ国にまたがる開催地の都市やスタジアム、主な開催試合について具体的に紹介していこう。


シドニー・フットボール・スタジアム 写真:Getty Images