七面鳥は、アメリカにおけるクリスマス料理の定番です。
この七面鳥、キジの仲間であり、毛のない頭部が赤や青といった派手な色合いをしたユニークな外見の鳥です。
その姿は美味しそうな丸焼きの姿とはかけ離れたものなので、見た目に驚く人も多いかもしれません。
でも、よく考えるとなぜクリスマスに七面鳥なのでしょうか。
そこにはどんな関係があるのでしょうか。
ここでは、七面鳥とはどのような鳥なのかをご紹介しつつ、クリスマスと切り離せなくなった文化について見ていきましょう。
七面鳥とは

七面鳥とはキジ目キジ科シチメンチョウ属に分類される動物です。
そんな七面鳥がどのような鳥なのかをまずは見ていきましょう。
七面鳥の生息地
七面鳥が生息しているのは、アメリカやカナダやメキシコなど北米大陸に生息しています。
落葉樹と針葉樹の混合林で生活していることが多く、あまり他の動物との争いを好まない動物とされています。
食事は植物をメインとする雑食で、果実や種子の他、昆虫類や両生類、爬虫類まで食べて生活しているのが特徴です。
七面鳥の大きさや姿
七面鳥はキジの仲間の中でも最大種とされています。
その大きさは、全長約120cmで体重は約9kgになります。
メスはオスのおよそ半分、全長約60cmとなります。
体は光沢のある黒い羽毛に覆われており、メスよりオスの方がその光沢が強いです。
頭部や頸部には羽毛がなく、赤い皮膚が露出しています。
発達した肉垂があり、見た目のインパクトはなかなかのものです!
繁殖期になるとオスの皮膚は色が鮮やかになり胸部が隆起するなど、メスとの性差も見てとれるのが特徴です。
七面鳥は元々クリスマスに食べられるものではなかった

七面鳥はクリスマスに食べる定番料理となっていますが、もともとは違う鳥を食べていたとされています。
そこで、ここではアメリカから始まったとされるクリスマス文化について見ていきましょう。
アメリカで始まった文化
クリスマスに七面鳥を食べるようになったのは、アメリカが発祥とされています。
その理由としては、七面鳥の生息地がアメリカだったことにあります。
しかし、はじめからクリスマスに食べるものとされていたわけではないそうです。
それは17世紀初頭のこと、イギリスから移住してきた人々はアメリカに移り住んだものの、食べ物の収穫がうまくいかず飢えに苦しんだそうです。
その際、先住民であるワンパノアグ族に助けられ、トウモロコシなどの収穫のコツを教えてもらっただけではなく、七面鳥などの食べ物なども分けてもらい、命を繋ぐことができました。
翌年、食べ物の収穫に成功したヨーロッパからの移住者たちは収穫の恵みを神に感謝する感謝祭を開きました。
そして感謝祭の象徴として七面鳥の丸焼きを食べられるようになり、これがイギリスなどまで伝わりました。
もともとイギリスでは伝統的なクリスマス料理としてガチョウなどを食べていたそうですが、アメリカの七面鳥が広まったことですっかり定番料理が変わってしまったようです。
現在ではクリスマスになるとアメリカだけではなく、イギリスでも七面鳥は食されています。
本来は感謝祭で食べていた七面鳥
本来、七面鳥は感謝祭の時期に食べられていた食材です。
アメリカの感謝祭は11月の第4木曜日とされ、アメリカにおいて感謝祭の日は「七面鳥の日」とも呼ばれ、シンボル的な物となっています。
それがいつのことからか、クリスマスにも食べられるようになりました。
七面鳥はブタなどに比べると脂が少ないことから、ベーコンやハムなどは一年を通して販売されていることから、食文化として根付いた結果なのかもしれません。