MF:評価A

柏の今冬ここまでの移籍状況を見ていくと、目玉となるのは中盤と言えるだろう。まず、昨2022シーズンの主力では、MFドッジが母国ブラジルのサントスFCへ移籍。また、ユース時代から柏一筋のバンディエラMF大谷秀和の引退など、残念な要素もあったが戦力の流出は最小限に留めたと言っていいい。

一方で、名古屋グランパスからは広い視野と正確なパスやシュートが売りのMF仙頭啓矢を、北海道コンサドーレ札幌からは激しく鋭い出足のディフェンスが売りのMF高嶺朋樹を獲得。さらにJ2のモンテディオ山形からは高いシュート技術を誇るMF山田康太も獲得。昨2022シーズンは山形で最前線での起用も多かった山田は、ポジションや役割についても注目だ。この3選手の加入により、中盤の選手層は他クラブと比較しても豪華な顔ぶれとなった。

MFマテウス・サヴィオら現有戦力と早い段階でフィットすれば、攻撃のバリエーションが増えることは間違いない。選手の流出が少なく、特に攻撃面でのポテンシャルの高さから編成評価をAとした。


柏レイソル FWオウイエ・ウィリアム(当時日本体育大学柏高等学校)写真:Getty Images

FW:評価A

昨2022シーズンは、柏期待の若手でもありパリ世代のFW筆頭候補のFW細谷真大が覚醒。新加入のFW小屋松知哉との連携も良好で、2023シーズンも大きな期待が持てる。また、怪我の影響で思うように試合に絡めなかったFWドウグラス。同じく怪我の影響があったものの7ゴールの活躍で攻撃を支えたFW武藤雄樹。この2名も現在のところ移籍の動きはなく、最前線は安定した陣容と言える。

新加入は現在のところわずかに1人だが、全国高校サッカー選手権でも活躍した、日本体育大学柏高等学校のFWオウイエ・ウィリアムの加入が内定している。高卒ルーキーにとって人材豊かな柏での出場機会の確保は難しいだろう。しかし、プロの環境に揉まれながらチーム内のポジション争いを活性化させられれば、柏の攻撃陣をさらに押し上げることにもつながるのも確かだ。

中盤に新加入選手も多く、攻撃の構築といった面では再スタートとなる部分もあるだろう。だが、誰が出ても仕留めきれる力のある選手ばかりのFW陣であることから、編成評価はAとした。