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明治安田生命J1リーグにて、2022シーズンの柏レイソルは終盤での失速があったものの7位で着地と、2021シーズン15位という低迷を考えれば状況を大きく好転させた。開幕前にはFWクリスティアーノやMF仲間隼人といった攻撃的な選手が相次いで流出し、編成面に不安を抱えた部分もあったのも事実だ。しかし、若手選手の成長も目覚ましく、改めて将来が楽しみな選手を認識できたことについては、クラブにとって収穫のあるシーズンだったとも言えるだろう。
2023シーズンはさらなる飛躍を果たすため、柏は今冬数あるJクラブの中でも積極的に移籍に関わる動きを見せている。ここでは、すでに発表されている移籍情報から見た2023シーズンの編成について、各ポジションごとに3段階(A~C)で評価していく。
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GK:評価B
昨2022シーズンは、パリ世代の日本代表候補でもあるGK佐々木雅士が、韓国代表としても経験豊富なGKキム・スンギュからポジションを奪い定位置を獲得。ただし、夏にはそのキム・スンギュが移籍したことで、実質1人態勢で進んでしまっていたことが懸念事項だった。一方でクラブ側の佐々木への信頼度の高さもあってか、今冬もキーパーについては大きな補強の動きはない。
現状では、サガン鳥栖から期限付き移籍で獲得していたGK守田達弥の、完全移籍への切り替えのみに留まる。現有戦力として経験の少ないGK猿田遥己とGK松本健太はもとより、守田についても直近2シーズンは出場機会に恵まれておらず、佐々木のバックアップ体制としては依然不安が残る。だが、20歳とまだまだ伸びしろ十分な佐々木のさらなる成長に期待して、編成評価はBとした。
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DF:評価C
最も入れ替わりが激しくなっているDFライン。昨2022シーズンに主軸として多くの出場機会を得ていた選手のうち、DF高橋祐治(清水エスパルス)DF上島拓巳(横浜F・マリノス)DF大南拓磨(川崎フロンターレ)と、すでに複数の選手の流出が決定。サブを見てもDF陣の選手流出は特に顕著となっている。
一方で、新加入としてはJ2降格となった清水エスパルスより、東京五輪世代で191cmの高さと高精度のロングフィードが魅力の大型DF立田悠悟と、豊富な運動量と複数ポジションをこなせるポリバレントさが売りのDF片山瑛一をそれぞれ獲得。また、鳥栖でDFラインの軸を務めヘディングの強さも兼ね備えたDFジエゴも獲得し、入れ替えとしては遜色ない補強もできている。
しかし、システムを2022シーズンと同じ3バック主体で考えるのであれば、うち2名を入れ替えるような現状では、連携面やラインの統率など新たに作り上げる部分が多いことも事実。特にシーズン序盤には懸念される点が多いことから編成評価をCとした。
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