目次
サンマ不漁の原因(2):外国船の参入
・一概に外国船を不漁の原因にしてはいけない
サンマ不漁の原因(3):2021年以降のロシア・ウクライナ情勢
安定供給のためのサンマ養殖はできないのか?

このような理由からサンマの不漁は長年続いています。
「だったら養殖して安定供給を図ればいい」と思いませんか?
しかしそれは技術的に難しいというのが現状です。
例えば多種多様な魚を展示している水族館でも、サンマを見かけることってありませんよね。なぜなら、サンマは養殖よりも簡単な「飼育」でさえも難しいといわれる魚だからです。
加えて、サンマは一匹の単価が安い大衆魚。莫大な費用をかけて養殖しても、売値との採算が合わず赤字事業になってしまいます。
そのため、現時点では養殖のサンマが市場に流通するのはまだ先の話であると言わざるを得ません。
しかし希望の光は見えており、福島県いわき市にある水族館「アクアマリンふくしま」が、2019年に世界で初めてサンマの展示に成功しました。
成功要因としては、
・サンマが卵を産み付ける藻を海から取ってきて幼魚から育てたこと
・光に集まる習性と回遊する習性を利用して水槽の周りをぐるぐる回す仕組みを作ったこと
などが挙げられ、これは画期的な進歩です。
しかし、それでもまだ展示ができたレベルです。孵化にも成功してはいますが、食用魚として大量生産することは難しいといえるでしょう。
したがって「サンマ不漁が続くから代わりに養殖のサンマに注力する」ということは、現時点ではできないということになります。
サンマの水揚げが盛んな漁港
最後に、日本においてサンマの水揚げが盛んな漁港を紹介します。
上述した通り、サンマは8月~11月頃にかけて日本沖を南下し始める魚です。
そのため、旬を迎える時期に通過する北海道・東北にサンマ漁が盛んな漁港が集まっています。
- CHECK
- ・北海道…花咲港(16,106t)、厚岸港(3,952t)、釧路港(1,275t)
・岩手県…大船渡港(6,400t)、宮古港(892t)、釜石港(793t)
・宮城県…気仙沼港(5,380t)、女川港(4,563t)
・福島県…小名浜港(489t)
・千葉県…銚子港(620t)
※()は2019年の水揚げ量
※引用:全国さんま棒受網漁業協同組合
さらにサンマの漁獲量ランキングでは、1位北海道 2位宮城県 3位岩手県と、いずれも漁獲量が多い港を有する道県が上位を占めています。
サンマは鮮度が良いほど美味しい魚であるため、上記の港まで足を運ぶのもいいかもしれませんね。
ざっくりポイント
・サンマの水揚げ量は2008年の343,225t以降減少傾向にある
・2022年の水揚げ量は過去最低を記録(4年連続)
・平成元年と価格を比較すると約8.5倍
・サンマ不漁の原因1つ目は「温暖化による海水温の上昇」
・サンマ不漁の原因2つ目は「外国船の参入」
・サンマ不漁の原因3つ目は「操業許可手続きの遅延」
・サンマの養殖は難易度が高いため、現時点では技術的に難しい
・サンマ水揚げが盛んな漁港は北海道・東北に集まっている
提供元・ととクル
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