変化3 日本の素材技術は壊滅

 次に、日本の素材技術の話。

日本の素材は、海外の投資家から巨大なマネーを呼び込み、業界を震撼させた。

岡山のデニムに代表される素材産業は、日本の商社を含めてあまりにマーケットを知らず、老人達が「腹落ち」しない投資は絶対やらない、という方針のもと、もはや身動きがとれなくなっている。できることは過去から脈々と続くアパレル企業のOEMしかない。誰もが未来がないと考えながら、なぜか仕事を続けている、という妙な状態になっている。

もはや商社から提案をすることもできないし、私のようなコンサルを雇うのは、商社でなくむしろアパレル側だ。日本の素材産業には戦略がないのである。

 最後に、M&Aによって起こる、顧客データの統合に関わる問題点をクリアにしたい。