そして、1月9日朝には、

とツイートした。

これらの私のツイートには、賛同するリプライや引用ツイートがあり、甘利氏がツイートで引用する番組動画には、「書かれているやり取りはない」、というツイートが多数あったが、甘利氏からは、その後全く反応はなく、問題のツイート以降、沈黙している。

甘利氏は、敢えて、消費税論議に先鞭をつけていい格好しようとしたものの、逆風が予想以上に大きいことに狼狽して、その発言自体をなかったことにしようとしたのだろうか。

それにしても、自らのテレビ番組での発言について、ツイートで「報道がミスリード」だと批判し、テレビ出演での「やり取り」を具体的に示したにもかかわらず、その「やり取り」が実際には全く無かったのだとすると、「司会者とのやり取り」を「捏造」したことになる。

甘利氏は、小選挙区落選で幹事長は辞任したとは言え、今なお、自民党の重鎮、実力者であり、しかも自民党税制調査会に大きな影響力を有する。その甘利氏が、岸田首相が打ち出した少子化対策の財源について、「消費増税の検討」について積極的な発言をしたのか、それを否定するような発言をしたのか、それは、今後の消費税をめぐる議論においても、重要な話のはずだ。もし、その点について、甘利氏が「やり取り」を捏造してツイートしたのだとすると、自民党有力政治家の発言の信頼性そのものに関わる重大な問題である。

ところが、不可解なことに、このように甘利氏が「真意を伝えず断片的事実を繋ぎ合わせる報道はミスリード」とツイートしていることに対して、「甘利氏消費増税発言」を報じた新聞、テレビ等は、それに反論するわけでもなく、批判を受け入れて訂正するでもなく、完全にスルーしてしまっている。

中には、スポニチのように、【甘利明氏 少子化対策の消費増税案に「報道はミスリードです」テレビ番組での発言のやり取りを紹介】と題して、甘利氏のツイートをそのまま垂れ流している記事もある。

甘利明氏 少子化対策の消費増税案に「報道はミスリードです」テレビ番組での発言のやり取りを紹介(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
 自民党税制調査会の幹部を務める甘利明前幹事長(73)が7日、自身のツイッターを更新。少子化対策の消費増税案に関して自身の主張をつづった。  甘利氏は「テレビ出演の際の消費税に関する件ですが、要旨

岸田首相が、年頭会見でぶち上げた「異次元の少子化対策」というのも、中身は、従来の対策の延長上だ。それを「異次元」にするとすれば、余程、予算規模が大きくするのか、その財源は?と思った途端に出てきた「甘利氏消費増税発言」。

ところが、本人は、その発言を否定して発言を報じる報道をミスリードだと批判、ツイートで、実際の「司会者とのやり取り」まで示しましたが、その「やり取り」は番組動画でも確認できない。しかし、その後、甘利氏は沈黙、報じたマスコミも沈黙している。

年明けから、「甘利氏消費増税発言」をめぐって起きていることは、まさに、「怪」そのものだ。