私が主たるテーマにしている民主主義のあり方が真に問われる時代になってきたともいえるでしょう。
先日、成田悠輔氏のユーチューブを見ていて日本の政治は若者の声を反映できない、だけど、反映させる方法はあると述べていました。それは若者がある場所に集中して住むなどして参政権における若者比率を上昇させ、選挙の際にその権利を行使し、エリアで若者社会を作ればいい、という趣旨でした。
選挙システムが日本全体で広く薄く行われる中で、高齢化社会となれば高齢者有利の政策ができる歪みをどう修正するか、というテクニック論でもありますが、一方で分断化社会を作るネタにもなります。その上、若者全員が同じ指向なのか、といえば私は全くそう思いません。フラットで平凡だけど幸せなライフを送りたい人たちは確かに多いですが、リーダーシップを取りたい若者も非常に増えました。議員に立候補する人たちに若者が増えたことはその一例でしょう。つまり、若者ですら一括りにできないのです。
私はこれを「細胞分裂社会」と称しています。成熟化し、情報化社会が進み、WEB3を背景にした社会構成が生まれれば今後それはより促進されるだろうという絶対的確信があります。例えばここバンクーバーには100以上の日系の団体やグループがあります。恐るべき分裂ぶりで未だにその分裂は進行中です。それは迎合も我慢も出来ないから日本から脱出を図ったという「進歩的民主主義思想」の日本人が多く集まったのがバンクーバーではないかと考えています。つまり、ここバンクーバー日系社会こそ、日本の将来の縮図ではないかと思うのです。
では次に分裂する国家はどこでしょうか?パッと思い浮かぶのがロシアです。プーチン氏政権が崩壊した後、ロシアを誰が再建するか、です。しばらく激しい争いが起きると思いますが、最終的には強い権力を持った人間が上から押さえる今の体制とほぼ同じものができるとみています。理由はロシアは国家として民主主義が歴史的に根付いていないため、北アフリカ諸国と同じでまとまりを欠くために結局、強いものに巻かれることに抵抗感が少ないとみています。
一方、激しく分裂するのがインド、パキスタン、バングラディッシュあたりかもしれません。インドの場合はいまだに残る身分の問題を抱える中で世界一の人口を誇る国家を一つのポリシーでまとめ上げることはほぼ不可能です。特に宗教も多くが絡みあう同国ではいつ何があっても驚くことはないでしょう。
こう考えると我々は否が応でも分断社会に突入しつつあると言わざるを得ません。それはいがみ合いや闘争、時としてテロのような事件すら起こりかねない不安定社会とも言えないでしょうか?
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年1月11日の記事より転載させていただきました。