歴代最多の341万人が新成人に。初の18歳成人による成人の日

2022年4月1日、「18歳成人」とする民法の一部を改正する法律が施行され、経過措置により、施行日時点で18歳以上20歳未満の者も同日に成年に達することとされた。このことで、この1年間(2022年1月~12月)に新たに成人に達した人口は過去最多の341万人となった。

一方で、20歳だけで見ると、117万人で前年に比べ6万人減、19歳も113万人で前年に比べ5万人減、18歳も112万人で前年に比べ2万人減となっており、少子化による影響は拍車をかけている。

昨年の成人の日に、「最後の20歳成人の成人式。世界から遅れる日本は若者が活躍できる18歳成人時代の構築を」と題してコラムを書きました。

「18歳成人」については、2018年に書いた『法案成立で2022年から「18歳成人」は何を変えるか』なども参考にしてもらえればと思う。

2015年に選挙権が18歳に引き下げられたことは記憶にある方も多いと思う。この選挙権年齢引き下げは戦後初となる70年ぶりの拡大となり、歴史的にも大きな変革であり、私自身はこの選挙権年齢引き下げを大学生だった2000年から15年もかけて仕掛けて実現した。

国民投票法の付則に明示されていることから、この選挙権年齢の引き下げの後も宿題として残っていたのが成人年齢の引き下げだった。

この辺りについては、2016年に書いた『どこよりも詳しい「18歳成人」解説。被選挙権年齢引き下げにつなげ!』にも書いたように、「18歳成人」や「18歳選挙権」は、第1次安倍政権であった2007年5月に成立した日本国憲法の改正手続に関する法律(以下、国民投票法)がきっかけになっている。その附則第3条第1項の「満18年以上満20年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう、選挙権を有する者の年齢を定める公職選挙法、成年年齢を定める民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるものとする。」と明記されたことから始まった。

詳しくは、著書『子ども白書2016 18歳「成人」社会~「成人」とは何か~』(本の泉社)なども読んでもらえればと思うが、私たちの仕込んだこの国民投票法の仕掛によって2015年5月に「18歳選挙権」が実現、「18歳成人」へと繋がった。

さらに宿題として残るのが被選挙権年齢の引き下げ

初の18歳による国政選挙が行われたのが2016年だった。自民党では党の政策決定を行う政務調査会に「若年成人の教育・ 育成に関する特命委員会」を設置し、初回会合では、私が有識者として招かれ、成人年齢引き下げに関する課題と同時に、被選挙権年齢引き下げを含めて、若者を当事者として参画させながら育てていく環境整備の重要性などを指摘したことを思い出す。

「18歳選挙権」と、今回の「18歳成人」の実現でもさらに宿題として残るのが、「被選挙権年齢の引き下げ」だ。

世界各国の被選挙権年齢を比較してみると、17歳が1.0%、18歳が33.3%、20歳が0.5%、21歳が29.2%、23歳が2.6%、25歳が28.2%、28歳が0.5%、30歳が4.6%となっている。

選挙権年齢と異なり、被選挙権は世界の傾向は大きく18歳、21歳、25歳の3つに分かれる。

これは、被選挙権年齢を選挙権年齢と合わせて18歳としている国と、当時21歳が成人年齢の主流であった中で成人年齢と被選挙権年齢を合わせていた国、成人年齢よりさらに高い年齢に被選挙権をおいていた国とに分かれていたためだ。