今では、月1GBで月額290円という驚くべき低価格で利用できる「格安SIM」。大手キャリアの月額利用料と比べると、年間で数万円安くすることも可能となっています。それでも、なんとなく格安SIMの乗り換えるのは不安で面倒くさいと考えている人も多いでしょう。そこで今回は、あえて格安SIMの欠点やデメリットを紹介してみます。でも、それが分かれば逆に「格安SIMに乗り換えてもいいかな?」と思えるかもしれませんよ!
そもそも格安SIMって何? どのくらい安くなるの?
そもそも格安SIMとは、自社回線を持っているドコモやauといった大手キャリア(MNO)から通信回線を借りて、格安な利用料金で「SIM(シム)カード」を提供するケータイ事業者(MVNO)のことです。
SIMカードとは、電話番号や契約情報が記録された小型ICチップのこと。SIMカードはスマホに入れて設定することで利用可能となりますが、“スマホの契約=SIMカードの購入”と考えていいでしょう。
ご存じのとおり、大手キャリアは全国にサービスショップを設置して、契約から機種変更、トラブル時の対応などを行っています。その分、安心して利用できますが利用料金はどうしても高くなってしまいます。
これに対し、格安SIMは一部店舗を構える事業者もありますが、基本的に店舗を持たず契約やトラブル時の対応もすべてネットでやり取りすることになります。もちろん、その分利用料金が驚くほど安くなっているのです。
それを踏まえたうえで、まずは大手キャリアと格安SIMの料金体系がどうなっているのか確認してみましょう。
現在、自社回線を持っている大手ケータイキャリアは、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4社があります。
最後発の楽天モバイルは新規顧客を獲得する目的もあって、月3GBまで月額1,078円、月20GBまでは月額2,178円、20GB超は無制限で月額3,278円という、かなりお得な料金設定になっています。
しかし、ほかの3社は各種割引を適用しないと、基本プランの料金は月額4,000~7,000円程度高くなるのです。

■大手キャリアのメインプラン料金は?
【ドコモ】
「5Gギガホ プレミア」月額5,665円~7,315円
※月3GBまで5,665円で、3GB超は7,315円で無制限になる
【au】
「使い放題MAX 5G/4G」月額4,928円~7,238円
※月3GBまで4,928円で、3GB超は7,238円で無制限になる
【ソフトバンク】
「メリハリ無制限」月額4,928円~7,238円
※月3GBまで4,928円で、3GB超は7,238円で無制限になる
【楽天モバイル】
「Rakuten UN-LIMIT?VII」月額1,078円~3,278円
※月3GBまで月額1,078円、月20GBまで月額2,178円、20GB超は無制限となり月額3,278円になる
最近は大手キャリアもネット限定の格安プランを用意しており、ドコモは「ahamo(アハモ)」、auは「povo2.0(ポヴォ)」、ソフトバンクは「LINEMO(ラインモ)」があります。
こちらは、月20GBで月額3,000円前後と割安ですが、一部を除き、基本的にキャリアショップでは扱っておらず、格安SIMと同じようにネットで申し込むのが前提となっています。大手キャリアの格安プランに関しては、こちらの記事を確認してください。
これに対し、格安SIMでは驚くような低価格のプランが用意されています。たとえば、日本通信の「合理的シンプル290」は月1GBが月額290円で、あとは使った分だけ1GBあたり220円を加算する仕組みになっています。
●日本通信「合理的シンプル290」

ほかにも、NUROモバイルの「バリュープラス」のVSプランは月3GBで月額792円で利用できるほか、VMプランなら月5GBで月額990円とかなり安く利用できます。
●NUROモバイル「バリュープラス」
もし、ドコモの「5Gギガホ プレミア」を利用して毎月3GB以上(月額7,315円)利用している人が、NUROモバイルの「バリュープラス」のVMプラン(月5GB)に乗り換えると月額990円で済みます。
この場合、スマホの料金は毎月6,325円も安くなるため、年間ではなんと7万5,900円も節約できるのです(乗り換え費用や通話料などは除く)。
もちろん、家族割やドコモ光セット割などを適応すればさらに価格差は縮まりますが、それでも格安SIMが断然安いことに変わりはありません。