王者の守備:東山高校(京都)
東山もまた、過去最高成績のベスト8を越え、初のベスト4進出から決勝進出までを果たし優勝まで残り1つとした。戦前の予想通り、1点を争うゲームとなった7日準決勝の大津(熊本)戦は1-1(PK4-2)で勝利。東山は、この準決勝まで4試合での失点数はわずか1と守備の強さこそ魅力である。そしてもちろんその守備があるからこそ、MF阪田澪哉率いる攻撃陣が本領を発揮することができる。
準決勝では、そんな東山が先制を許す。大津のお手本のようなサイド攻撃であった。MF香山太良が運び、FW小林俊瑛とのワンツーで抜け出す。スピードを緩めず、MF井伊虎太郎がゴール前へスプリント。東山のDF志津正剛は背後を取られノーチャンスだった。
しかし、ここで終わらない東山。同点は後半17分。MF松橋啓太のゴールは間違いなく芸術であった。誰もがシュート打つと思ったその時、彼には違う景色が見えていた。完璧なボールコントロールで、目の前の大津ディフェンス陣4人を無力化するゴール。その後は大津ペースでゲームが進むも、東山の守備陣が力を発揮し失点を許さない。勝負の行方はPK戦に委ねられた。
この男が叫ぶとき、東山に勝利が訪れる。GK佐藤瑞起。4日準々決勝の日体大柏(千葉)戦に続き、この男がまた吠えた。大津のGKは、間違いなくU18世代トップクラスでありU17日本代表のGK西星哉である。その西と繰り広げたPK戦。大津のPKを2本目と4本目でストップした佐藤に軍配が上がった。
再び国立競技場でGK佐藤の雄叫びが響くときには、東山に優勝が訪れるはずである。
決勝は、攻撃と守備のぶつかり合い
岡山学芸館の攻撃と、東山の守備の対決が鍵となりそうな決勝戦。どちらが優勝しても初優勝となる。最後に笑うのはどちらか。第101回全国高校サッカー選手権大会決勝戦は、1月9日14時5分キックオフ。