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2022年12月28日に開幕した第101回全国高校サッカー選手権大会。各都道府県代表48校(東京都は2校)がトーナメントで競い、ついにファイナリスト2校が出揃った。全3883校の頂点を決める熱き戦いも決勝戦の残り1試合となる。
1月9日に国立競技場で行われる決勝戦は、岡山学芸館高校(岡山)VS東山高校(京都)となった。両チームのこれまでの戦いぶりと決勝戦の見どころをみていく。
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強く美しい攻撃:岡山学芸館高校(岡山)
岡山学芸館が初のベスト8進出から決勝進出までを果たした。1月2日の3回戦で国学院久我山(東京)を0-0(PK5-3)で撃破し初のベスト8進出。続く準々決勝(4日)で佐野日大(栃木)を4-0で破り勢いのままベスト4進出。優勝候補であった神村学園(鹿児島)との準決勝(7日)は壮絶なシーソーゲームを繰り広げ、3-3でPK戦の末に4-1で勝利。優勝まで残り1つとなった。
準決勝の神村学園戦は予想通りの打ち合いに。FW福田師王、MF大迫塁、MF名和田我空など代表級選手がいる神村学園の攻撃陣に対し、制した岡山学芸館の攻撃力には脱帽である。また、3失点はしたものの良い守備を随所で見せた。特に神村学園のFW福田にボールが入ると前を向かせないディフェンスと、MF大迫がボールを持った際に2人がかりで止めに行くディフェンスは、チームとして徹底されていた。守備でのハードワークができることを物語り、GK平塚仁も2年生ながら堂々たるプレーを見せる。福田のPKをストップするなど実力は間違いない。
岡山学芸館の攻撃陣は誰でも点を取ることができるのが強み。そのなかでも、2点目を演じたFW今井拓人は体の強さとポジショニングの良さを発揮した。同得点シーンでは、ニアに入ると見せかけてマイナス方向へステップバック、その動きに合わせたパスも見事であった。3点目を演じたMF岡本温叶は、166センチと小柄ながらパンチ力のある左足を披露。実況も「スーパー」を叫んだように、あのゴールを高校生が決めるとは、見ている誰もが度肝を抜かれたはずだ。
注目選手は上述のGK平塚、MF岡本、FW今井の3名。強く美しいサッカーを演じるブルー色の彼らに栄冠は相応しいか。
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