一方、お金のことに非常に繊細である点も確かです。一昔前、独身OL(死語ですね)が年間〇百万円の貯蓄をし、20代でマンションを購入といった話がちらほら聞こえてきたことがあります。これは行動心理学からすると珍しいことではなく、最終的に自分の力で老後まで生き延びるという本能が先行します。よって「結婚しない」ワーストケースシナリオの生活プランが生まれやすくなります。
実はここがトリックでワーストケースシナリオのはずがいつの間にか結婚した場合の相手の収入と安定性を査定しやすくなり、この男性と一緒になると私が苦労して貯めたお金はどうなるか、という現実を見やすくなる傾向は否定できないのです。もちろん、全ての女性がそうではありません。ただ、大局観としてその傾向はあります。故に結婚が促進されないのです。私がパートナー同士でも子供を認める社会を形成せよ、というのはお財布を一緒にするか、別々にしやすくするかがポイントなのです。
ということは普段の生活に刺激がなければ結婚を考えやすくなります。都道府県別の出生率では東京都がダントツのビリなのは「楽しい、忙しい、稼げる」の三拍子が揃っているわけです。小池さんに子供がいないのは何故、といえば女帝として充実した刺激あるライフを送ってきたからですよね。
では日本は今後も予想を上回るペースで少子化が進んでしまうのか、と考えたのですが、唯一の可能性は日本、あるいは東京が極めて成熟化し、若者が「もういい!もっと人間らしい生活に戻りたい」と思った時に出生率は上がるかもしれません。ならば、適齢期を迎えたカップルを東京に縛り付けるよりもっと自然豊かな地域で住んでもらったほうが良い気がします。決して高層マンションではなく、地べたについた家です。
昔、調べたことがあるのですが、高層マンションでは高層階に行くほど人は外出しなくなるというデータがありました。(手元にもうありません。)これは心理の問題で高層階から下を見下ろした時、高ければ高いほど下界が遠くなり、外に出るのがおっくうになるのです。これが同じ高層マンションでもせいぜい7-8階以下ですと出歩きやすいのです。これを家庭環境という点に当てはめると戸建てとかせいぜい2階建てのアパートのようなところの方が子供には向いた環境になり戸建てが圧倒的に優れています。湾岸地帯や武蔵小杉の高層マンションに子供と住むのは選択肢として最悪なのです。
カナダには「ヤドカリのライフサイクル」というのがあります。独身時代のベースメント、結婚/同棲して安アパート、子供が出来て郊外の住宅、子供が大きくなって街中のコンドミニアムという具合です。キーは子供が出来たら地べたについている家です。住宅開発を長年やっている人間が言うのですから間違いありません。
とすれば小池百合子流少子化対策に不動産開発の目線からこう意見させて頂きます。