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市民にはどんな影響があるか?
スーパーマーケットの様子

市民にはどんな影響があるか?

年間インフレ率100%を超える?!ハイパーインフレのアルゼンチンから
(画像=『たびこふれ』より引用)

海外からの旅行者にとっては、アメリカドルを持参すれば、両替時に多くのアルゼンチンペソを手にできます。その場合、アルゼンチンペソの下落は悪いことのようには感じないかもしれません。しかし、アルゼンチンペソでお給料をもらう市民にとっては、大きな問題です。毎月貰うお給料の額は同じでもその金額の価値は下がっていくということ。

市内のスーパーでは、毎週購入する商品の値段が上がっていきます。お給料は毎週増加する訳ではないため、生活はどんどん厳しくなります。数ヶ月に一度、いくらかの昇給はありますが、日々上昇するインフレ率に比例しないため、やはり一般市民の生活に負荷がかかります。

市民は政府に抗議したり労働組合で抗議するなど、自分達の給料を増やすため毎日のように世界一幅の広い 7月9日通りでは 抗議デモが行われます。しかし、国民の望み通りにことが運ぶことはほとんどないでしょう。

スーパーマーケットの様子

年間インフレ率100%を超える?!ハイパーインフレのアルゼンチンから
(画像=『たびこふれ』より引用)

ブエノスアイレスのスーパーマーケットに商品がない、という訳ではありません。

世界第1位のインフレ率であるベネズエラでは、ハイパーインフレが加速しすぎてお金の価値よりも物に対する価値が上回った結果、商品が店頭にない状況に陥ったこともあったそう。

アルゼンチンは移民国家で多種多様な外国人が暮らしています。そういった地域から避難してくる方に出会う機会もあります。友達になったベネズエラ人は「大変だったのよ」と、話をしてくれました。

ブエノスアイレスの場合、価格は日々高くなるものの商品は充足しています。

10月に行われたJETROの調査では、「フランスパンと牛乳が前月比で約30%上がり、値上がり幅の大きさが目立った」という状況で、ブエノスアイレス市内は厳しい値上がりが続いています。パン、牛乳、チーズを主食のようによく食べるアルゼンチン人には、影響があまりにも大きい値上がりです。

商品の値段が先週よりも数十ペソ(何十円かぐらい)の単位で上がっていくことが繰り返される日々。

私は1週間に一度、スーパーマーケットでその週の買い物をまとめて行います。その度に「また値段が上がった!」と思いつつも買わないわけにはいかず、仕方なく購入しますが、レジで合計金額を見て恐ろしくなります。

2001年、アルゼンチンの国が破綻した際は、午前中と午後で商品価格がどんどん上昇していった、という話を主人(アルゼンチン人)から聞きました。

そういった経験もあり、1週間数十ペソの上昇には驚かないのかもしれません。

「民間エコノミストらの分析によると、第4四半期(10~12月)に物価上昇が減速するとは考えにくいため、年間インフレ率が3桁に達することはほぼ確実だ」ともJETROは伝えており、民間のエコノミストがアルゼンチンの年間インフレ率が100%超る予想を市内の有力な新聞が掲載したことを報告しました。