2022年も残すところわずかとなった。あらためて今年1年間を思い返してみると、とおい昔のようであった数々の出来事が、実は2022年であったことに気づかされる。日本漢字能力検定協会が毎年発表する今年の漢字が「戦」と発表されたなかで、小売業の2022年もインフレや他業種参入、競合とのシェア争いなど、まさに「戦」の1年であった。そこで、2022年にDCSオンラインに掲載したニュースから、小売業の2022年を振り返り、多くの戦いの軌跡を振り返りたいと思う。

小売業の2022年回顧録 上半期(1~6月)
(画像=清水寺の森清範貫主が揮毫(きごう)した2022年「今年の漢字」の「戦」=12日、京都市東山区 時事通信社、『DCSオンライン』より引用)

1月の出来事

1月6日に関東で大雪を観測、東京都心でも10センチの積雪となった。新型コロナウイルスの感染拡大も顕著になり、9日には沖縄、山口、広島の3県にまん延防止等重点措置が適用される。16日にはトンガ諸島付近で発生した海底火山の噴火に伴う津波警報・注意報が発令される。自然災害や感染症の脅威にさらされる、波乱の新年となった。

1月の小売業の主な出来事

小売業においては、統合・再編や新業態のオープンなどのニュースが。食品スーパー×ドラッグストアの協業は2022年のトレンドともいえそうだ。近未来感のあるイオンモールの自立走行ロボットでの商品配送に、多くの注目が集まっていた。

2月の出来事

4日に北京冬季五輪が開幕。連日熱戦が繰り広げられ、日本勢は最多のメダル18個を獲得した。24日にはロシアがウクライナに侵攻、それに伴う経済制裁やロシア事業撤退、物流の混乱など、多くの企業が対応に追われた。

2月の小売業の主な出来事

カスミの新業態「BLANDE」2号店が早くもオープン。業界関係者の多くが注目していた。セブン&アイのオシュマンズ売却はグループの事業再編として、こちらも多くの注目を集めた。

3月の出来事

北京冬季パラリンピック大会が開幕。日本勢はメダル7個を獲得する大健闘。16日には福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生、宮城、福島両県に津波注意報が発令され、宮城では最大30センチの津波を観測。付近を走行中の東北新幹線が脱線する事故も発生した。21日には地震の影響により火力発電所が停止、東京電力管内で初めて「需給逼迫(ひっぱく)警報」が発令され、節電が推奨された。

3月の小売業の主な出来事

薬王堂のネクストミーツとの提携やマックスバリュの無人店舗など、未来へ向けた投資に関するニュースが注目された。サツドラの「リテールメディア」に対する取り組みにも脚光。