今回は、2015年にノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチさんが書いた「チェルノブイリの祈りー未来の物語」の冒頭に出てきたミーチノ墓地を紹介します。

目次
どこでこのお墓のことを知ったのか
どうやって行くの?

どこでこのお墓のことを知ったのか

日本に住んでいたころ、電車の中で、「チェルノブイリの祈りー未来の物語」を読みました。電車の中で読み始めたものの、涙を抑えるのが大変で、自宅で読めばよかったと思うほど、この冒頭は衝撃的でした。チェルノブイリ原発事故の消火活動に従事した方々は、ひどい被ばくをし、モスクワの病院に運ばれました。そして、亡くなりますが、その後、ご遺体はモスクワ市北西部とモスクワ州の境のミーチノ墓地に埋葬されました。住所はモスクワ市でなくモスクワ州になります。

どうやって行くの?

最寄り駅のピャトニツコエ・ショッセはモスクワ北西部の地下鉄駅の終点です。中心部の地下鉄駅から青い地下鉄へ乗り換えて乗車することになりますが、中心部西部のキエフ駅から乗車するだけでも、36分ほどかかります。滞在している場所によっては、2019年11月21日にオープンしたМЦД(エム・ツェー・デー)のD2という地上を走る電車に乗って、ボロコランスカヤ駅で青い地下鉄に乗り換えをすると便利な場所もあります。このМЦДですが、新型車両でゆったり座れて、揺れず、静かで乗り心地がとてもいいです。車内はこんな感じです。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

6分間隔で朝5時30分から深夜1時まで運行しています。МЦДから地下鉄へ乗り換えるときに、トロイカカード(日本のSuicaみたいなもの)を利用していると、МЦДから地下鉄への乗り換え時に追加料金を払うことなく、地下鉄と同じ料金で乗車することができます。
しかし、ひとつ注意することがあります。モスクワの地下鉄は日本と違って、駅に入るときだけカードをタッチします。どこまで地下鉄で行っても同一料金なので、駅から出るときは、カードをタッチする必要はありません。
しかし、МЦДは、駅から出るときにカードをタッチしなければいけません。もしタッチをし忘れると、カードにロックがかかり、その後、使えなくなるようです。ロックを解除するためには、切符売り場で150ルーブルを払わないといけなくなるため、МЦДに乗った時は、駅から出るときに忘れずにタッチをしてください。

最近のモスクワの地下鉄は、拡張工事が盛んに行われています。ガイドブックに載っている路線図は古い可能性があるので、モスクワ地下鉄のホームページもご確認ください。

言語は、ロシア語のみですが、「Download Moscow Metro map」と英語で書いてある部分があるので、そこをクリックしてダウンロードしてください。路線図は、ロシア語は黒字、英語は灰色の文字で小さく書いてあります。見やすい大きさにカラー印刷して旅行時に携帯していると便利です。

最寄り駅のピャトニツコエ・ショッセ駅に着いたら、その後、741のバスに乗車して終点まで行きます。バスは、15分間隔くらいで運行しています。乗車時間は5分くらいです。気候がいい時期だったら、地下鉄駅から歩いていくこともできます。2.9kmで、35分ほど歩きます。しかし、モスクワ州に入った途端、歩道がなくなり、舗装されていない部分を歩いたり、墓地への入り口付近で酔っ払いと遭遇したりしたので、歩いていく場合は十分に気を付けてください。バスが今どこを走っているかもスマートフォンで見ることができます。モスクワは慢性的に交通渋滞が発生しているため、バスの動きを知ると、旅行中の時間節約になります。

741以外のバスだと、1016、32-、575もありますが、これは、大通りに面した墓地の入り口で降りることになり、そこから墓地まで1.3kmほど歩きます。

バス以外では、マルシュルートカという乗り合いタクシー164к、570、575、876кも走っています。こちらも大通りに面した墓地の入り口で降りることになり、墓地まで1.3kmほど歩きます。マルシュルートカは、トロイカカードを使えず、現金での支払いになり、ふつうのバスより料金が高くなります。運賃は直接運転手に手渡します。マルシュルートカは、マイクロバスのようなものだったり、ワゴン車を大きくしたようなものだったりと小型のバスです。
車内では丁寧に停留所の案内があるわけではないため、ロシア語が全く分からず、土地勘がなくて乗車するには勇気がいると思います。もし、市民の日常を垣間見たければ、ミーチノ墓地と紙に書いて乗ってみてください。運転手や乗客の皆さんが、降りる場所を親切に教えてくれます。観光客が多く訪れる場所ではないため、英語でのコミュニケーションは難しいと思って乗り込んでください。