衣類の生地をチェックすると綿やナイロン、ポリエステルなどの表示がされているものが多いですよね。
ナイロンとポリエステルはどちらも化学繊維の一種ですが、このふたつはなにが違うのでしょうか。

そこでここでは、それぞれの性質や特徴について見ていきましょう。

ナイロンとポリエステル、ともに石油由来も素材

「ナイロン」と「ポリエステル」、どちらも化学繊維だけどなにが違うの?それぞれの性質や特徴とは
(画像=『FUNDO』より引用)

ナイロンとポリエステルは、どちらも石油由来の合成樹脂です。
衣服や水着、カーペットなど繊維製品の素材となります。

ナイロン

石油を原料とする「ポリアミド」と呼ばれる合成樹脂から作られた繊維のことで、はじめは「ナイロン」という商品名だったものが、のちに一般名として使われるようになりました。
現在のように世界中に広まったのは、ストッキングの素材になったことだとされています。

そしてナイロンにはいくつか種類があります。

アジピン酸 (炭素原子数6) とヘキサメチレンジアミンから作られるものを、「6.6-ナイロン (ポリヘキサメチレンアジポアミド)」と呼び、カプロラクタムの開環重合でできるナイロンは「6-ナイロン (ポリカプラミド)」 と言います。
その他、6,10-ナイロン、7-ナイロン、9-ナイロン、11-ナイロンなどの種類もありますが、日本では主に6-ナイロンが作られています。

ナイロンは、絹(シルク)に似た光沢があるのが特徴です。
絹に比べて耐久性はあるものの、熱には弱いという性質があります。

ポリエステル

ポリエステルとは、ポリエチレンテレフタレートをはじめとし、ポリブチレンテレフタレートやポリトリブチレンテレフタレートなど、ポリエステル糸または繊維を材料に作られた素材の総称です。
石油由来の素材であり、世界で最も生産量の多い合成繊維になります。

ポリエステルは、綿(コットン)との合成繊維としてよく目にすることが多いでしょう。
これは、ポリエステルが綿の代用品として開発されたためです。

乾きにくいという綿のデメリットを補う素材として広く用いられるようになりました。
私たちの冬場の防寒着には欠かせない「フリース」の素材としても使用されていますよ。

どちらもアメリカのデュポン社のもの

世界には化学繊維を開発、製造販売する企業はたくさんありますが、実はナイロン、ポリエステルはどちらもアメリカのデュポン社の製品です。
ナイロンは、1935年にデュポン社のウォーレス・カロザースが合成に成功しました。
そしてポリエステルは、1941年にイギリスの化学者J.R.ウィンフィールドとJ.T.ディクソンが開発し、1953年にデュポン社が特許を取得し工業化したものです。

商品化したポリエステルはあっという間に世界中に広まったといわれています。