道端でよく見かけるアリは、世界中に多種多様な種類が生息しています。
その多くいるアリの中に、今回ご紹介する「ハキリアリ」がいます。
このハキリアリは、なんと農業をするアリって言われているんですよ!
なぜ農業をするアリといわれるのでしょうか?
今回はハキリアリの生態と併せて、その理由を見ていきましょう。
ハキリアリとは
![農業をするアリって知ってる?キノコを育てるために葉を切り運ぶ「ハキリアリ」とはどんなアリ?](https://cdn.moneytimes.jp/600/400/ELPlLCiwgjfhSbwOAxwCFYqKoGFhFYAa/922036f0-bbcd-4b5f-bd19-325ce0991338.jpg)
まずはハキリアリの生息域や社会構成についてみていきましょう!
ハキリアリの生息域
ハキリアリは、北米の東南部から中南米の熱帯雨林帯にかけて生息しています。
ハキリアリの社会構成
ハキリアリが他のアリの種類と異なるのは、社会構成がしっかりしているという点です。
代表的なのが、徹底した分業化です。
コロニーと呼ばれる集団には多くのメスがいますが、メスの中で卵を産むのは女王アリ1匹のみです。
残りの多くは餌を運んだり卵のお世話をする働きアリ、そして巣の防衛を任されている兵隊アリとなります。
ここまでは多くのアリも同じような社会構成をしています。
では、何が違うのでしょうか?
それは働きアリと兵隊アリ、それぞれが大きさによって任される仕事が変わるという点です。
ハキリアリは大きさによって分業を徹底した社会を構成しているのです。
詳しくは次項から解説していきますね。
サイズ違いで変わる働きアリや兵隊アリの仕事
![農業をするアリって知ってる?キノコを育てるために葉を切り運ぶ「ハキリアリ」とはどんなアリ?](https://cdn.moneytimes.jp/600/400/uHjFJgtoMWbmJiRZqbNaLkkwRqaeGxEO/8c0116c4-3db1-4c59-b602-68aa75aea0c7.jpg)
ハキリアリの体格は非常にばらつきが見られます。
大きいものだと20mm程度ある一方で、小さなものだと3mm程度しかありません。
同じハキリアリでも7倍近い個体差が生まれます。
なぜこのようにバリエーションが豊富なのかというと、それは役割分担が決まっているからです。
それぞれの役割を果たすのに適した大きさのハキリアリが、その仕事を担当するようになっています。
働きアリの大きさによる仕事の違い
ハキリアリは大きく分けて、大型・中型・小型の3種類に分類できます。
この3つのグループで働きアリでも担う仕事が違ってきます。
大型働きアリの役割
大型の働きアリは、葉っぱを切り落として運搬する、巣の拡張や運搬路確保などの土木工事を担当します。
中型の働きアリの役割
大型の働きアリによって切り落とされた葉っぱが大きすぎた場合に、細かく運びやすい大きさに分断するのが中型の働きアリの仕事です。
小型の働きアリの役割
小型の働きアリは、大型や中型の働きアリではできないような、さらに細かな作業を担当します。
兵隊アリの大きさによる仕事の違い
兵隊アリの場合も同じです。
大きさによって担う仕事が変わってきます。
大型兵隊アリの役割
大型のものは巣の警備が主な任務。
外敵が襲ってきたときに守る役割を担っています。
中型兵隊アリの役割
中型の兵隊アリは、葉っぱを運ぶアリの護衛役として活躍します。
小型兵隊アリの役割
小型の兵隊アリは、働きアリのガードマン的な役割を任されています。
警備アリの仕事
ハキリアリには働きアリと兵隊アリ以外にも、警備アリという独自の役割を持つアリがいます。
この警備アリは、基本的に小型のもので構成されています。
ハキリアリにとって天敵である寄生バエ対策の任に当たっています。
寄生バエはハキリアリに卵を植え付けます。
しかも伝染病も移してしまうので、働きアリが運ぶ葉の上に乗り、葉にハエが近づくと顎を大きく開いて威嚇し追い払います。