はじめに
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより世界中が混乱に陥っていますが、外界と隔絶された南極大陸には依然として新型コロナウイルスが到達していません。それでも、世界中が新型コロナウイルスの猛威にさらされている状況については南極基地の隊員たちも理解しています。
そんな隔絶された、これから冬に入る南極大陸の歴史や南極に住む可愛らしい動物たちをご紹介します。
南極の歴史
南極の存在は古くギリシャ時代まで遡ります。
当時の世界観は南半球と北半球でバランスをとる同等の大陸が存在するという想像上のもので、語源は北極星のある大熊座「アークトス」と反対を意味する「アンチ」でアンタークティカ。その後、15世紀の大航海時代を経て、南へ南へと人間世界の開発は進み、17世紀にオーストラリアが発見された後、18世紀に英国クック艦長が南極圏に到達します。
そして1800年代初頭、遂に複数の航海者により南極大陸が発見されました!この発見は「人類未達の地制覇」というテーマにとってかわり、多くの探検家が南極へと向かいます。
そして迎えた大南極探検時代。国威発揚、10カ国17の探検隊が南極へ。調査・研究・探検と様々な目的をもった各隊は多くのエピソードを残し最期の浪漫「南極点の到達」へと導かれます。1912年ノルウェーのアムンセン隊が南極点制覇。もともと北極点を目指していたというエピソードや日本も含めてぎりぎりまで競いあった小説のようなこの結末とともに南極探検はひとつの区切りを迎えたのです。
世界の注目を集めた南極は、近代になると探検の先鞭や地理的な近さから各国の領土権争いという問題に発展しました。そこで様々な細則を定めた南極条約を結び、国際同意の上領土問題は一旦凍結され現在へと至ります。


アムンセン(ノルウェー)は、初めて南極点に到達した冒険家。

白瀬のぶは、日本人として初めて南極探検に挑戦しました。

