なのだけど、大興奮したのはこれではない。

グランド・デコラシオンを満喫した後、ふと振り返ると、目に入ってきたのは、うわぁぁぁ~、”グリシヌ”ではないですかっ!しかも、え?え?2枚!?

左の”グリシヌ(藤)”は、マルモッタン美術館で、最愛”レ・ローズ(バラ)”に次いで、欲しくて欲しくてたまらない大好き作品。ここ数年、いくたびに展示されていなくて恋しかった。愛するグリシヌと、ここで巡り合えるとは、なんと嬉しい。でも、右の作品はなに?これ、知らない。

タイトルを見ると、同時期に描かれていて、右のもマルモッタン所蔵だそう。2枚一緒にいつも飾っておいてよ~。

この連作も、本当ならビロン館パヴィヨンに入れられる予定だったそう。幻のパヴィヨンの壁を、オランジュリーやここに並んだ睡蓮池のグランド・デコラシオンやグリシヌ連作が飾っているのを想像して、くらっとする。クレマンソーがもちょっと頑張ってくれればよかったのにねぇ。ちょっぴり残念。

どの部屋も、ほぼほぼ一番乗りで、ゆっくり静かに作品と向き合える。

グリシヌに見惚れているうちに人が増えてきて、赤ちゃん&幼児相手のアトリエが始まる。いいね、こんなチビのころから、こんな素敵な美術体験ができて。

ミッチェルに触れ、モネ&ミチェルの響き合いを楽しみ、額装なしモネ作品という貴重な体験をし、離れ離れになった連作の再集合にじーんとし、愛する作品との久しぶりの邂逅に歓喜する、素晴らしき週末の朝。

普段なら、美術館は平日朝イチに行くのだけど、FLVは週末だけ63番バスがここまで走り(ただし10時以降)、ダイレクトに家に帰れるので、ここだけは週末に来る。さあ、バスは何時かな?とチェックすると、ありゃりゃ、工事中でここまで走ってない・・。

仕方なく帰りもメトロ。寒さに凍えながら併設公園を散歩していると、孔雀が寄ってきて挨拶してくれたり、リスが顔見せてくれたり、寝起きでうとうとしてるクロヅルが固まってたり。こんな寒いのに、子供たちはもうアトラクションでキャーキャー言ってる。元気だねぇ。

再訪間違いなしの、素敵な展覧会。

編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2022年12月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。