長引くコロナ禍で世界経済の先行きが混沌とする中、株式や投資信託など金融商品への投資により資産を増やそうという人が増えている。ただ、当然ながら簡単な儲け話はなかなかなく、素人が手を出して大きな損失を被った例もある。今回は投資や会社経営に関する大損・爆損の事例を紹介する。

売れっ子芸人なのに、預貯金が数百万円に!?

2022年2月28日の「スポニチ」の報道によると、お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」の吉村崇が前日に出演したテレビ番組内で、当時の預貯金額が「数百万円に減った」と紹介した。

預貯金が数百万円というのは、一般的なサラリーマン家庭と同程度のレベルと言える。あれだけの売れっ子芸人にしてはあまりに少なく感じるが、資産の少なさの理由は株式投資にあるらしい。

番組内で吉村は「投資というか、頑張っていろんなことをやったら全部が失敗している」と告白し、収録当日に日経平均株価が下落したことに触れて「とんでもないことになった。よく私、ここ(収録)に来ているな、と思っている」と話していたらしい。

その前年に当たる2021年には、別のテレビ番組で、仮想通貨で大損して預貯金が100分の1に減ったと明かしていた。

もっとも、同じ芸人であっても、個人投資家としても活躍する井村俊哉のように、成功した例もある。井村は2022年に運用益30億円を達成した。今や、井村が購入したと判明した銘柄は大きく値上がりすることがあるほど、株式市場で影響力を持っている。

妻が関係する会社に金を吸い上げられる

投資による「損」とは経路が違うものの、元X JAPANのボーカルToshiは自己啓発セミナーにハマってしまい、洗脳され、金を巻き上げられて自己破産に至っている。その金額は数十億円とも言われている。

Toshiが休みなく働いて得た金は当時の妻が関係する会社に全て持っていかれていたそうだ。そのため、いわゆる「洗脳中」の生活費や療養費は友人から支援を受けていたらしい。

あのアメリカ元大統領も…

アメリカ合衆国の前大統領、ドナルド・トランプは、本職が不動産業などを中心とした実業家だ。

ビジネス界で大儲けして大統領にまでなったと聞くと、この世の全てを得たかのように映るが、実はトランプ氏は個人で自己破産を申請したことはないものの、経営する会社は過去に4度も破産を申請している(6度という情報もある)。

プライベートでは結婚と離婚を重ねて最終的に元モデルと結婚し、大統領になった、と聞くと「メシウマ」どころか、ドラマ仕立てのサクセスストーリーのようだ。

ところが、トランプは2020年の大統領選挙では現大統領のジョー・バイデン候補に敗れ、1期4年で退任することになった。1期4年で交代し、2期目に入れなかったのは、1992年の大統領選挙に負けたブッシュ大統領以来、約30年ぶりという出来事となった。

ウォルト・ディズニーも

ミッキーマウスの生みの親であるウォルト・ディズニーも、トランプ氏と同じく、経営する会社を破産させた経験を持つ。

ディズニーが破産させた経験は2度で、その後にミッキーマウスを生み出して世界的な成功を収めた。

このほか、海外では浪費癖が理由で自己破産した著名人も多い。ボクシングのマイク・タイソン、シンガーソングライターのエルトン・ジョンらは、その道において類例がないほどの成功を収めたものの、浪費のし過ぎで自己破産に至った。

ニュートンの損失は4億円!

「万有引力の法則」を発見した天才科学者、アイザック・ニュートンも、投資で大きな損失を被ったことがある。

日経ビジネスの記事によると、ニュートンが生きた18世紀のイギリスでは、株式市場が急速に発達し、多くの人々が売買にのめり込んでいた。この時代に発生したのが「バブル景気」の語源となった南海泡沫事件だった。

1720年、イギリス政府は額面100ポンドの「南海会社」の株式を売り出し、爆発的な人気を集める。この株式は8月に1,000ポンドを上回る暴騰を見せた。この動きに乗じ、実態のない会社の株式が次々と売り出され、それらの株価も急上昇した。そして、株式市場は狂乱状態となった。

ここで、南海会社は訴訟を起こし、政府が規制に乗り出したことで、後追いで作られた泡沫会社の株価が暴落した。そのあおりを受けて南海会社の株価も、12月には120ポンド台まで暴落した。この1年の間に10倍になり、そこから10分の1にもなったということだ。

この一連の事件の中で、ニュートンは早い段階で南海会社の株式を購入し、株価の暴騰中に売却して利益を確定してしまう。しかし、その後も株価は上がり続けたことから、ニュートンは南海会社の株式を買い直すのだが、実はそこが天井(株価が値上がりの頂点にあったということ)だった。

ニュートンは株価が下落中にさらに買い増し、自分の持ち株の平均単価を下げようとしたが、結果的には損失が膨らんだだけ。その損失額については4億円とも言われている。

希代の天才科学者ですら、相場を読み切ることはできなかった。ニュートンは「私は天体の動きは計算できるが、人々の狂った行動は計算できない」と語ったらしい。投資や会社経営は大きな得のチャンスがある一方、大きな損のリスクも表裏一体となっている。「うまい話はない」と肝に銘じることが大切なようだ。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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