平野委員長による「疑惑の報告書」提出

その事案が発生した12月13日の後、同月19日に開催された議会運営委員会(以下「議運」とする)にて、平野委員長は「文教福祉常任委員会における議事運営について(以下「平野文書」とする)」と題した資料を提出し、当該資料は議運で公式文書として配布されました。

平野文書【PDF資料】

この資料は、議運で配布された資料をもとに私があらためて起こした「レプリカ資料」です。元となった配布資料は、私がびっしりとコメントを書き込んだことにより、公開にそぐわないものになってしまったためそのような措置をしていますが、内容は一言一句間違いありません。

この公式文書で平野委員長は大きく二つの事実の捻じ曲げをしています。

私が「事実の捻じ曲げ」と断言する背景には、議会事務局から当日の問題個所のやりとりをテキストに起こしたデータを受領し、確認しているからです。この資料をここでは「事務局資料」と呼ぶことにします。なお、事務局資料は公式な議事録ではなく、委員会の録音音声をAI翻訳したものであるため公開はできませんが、以降はこの事務局資料と、疑惑の文書である「平野文書」をもとに解説します。

平野委員長の「捻じ曲げ」

平野文書では、平野委員長の不信任決議、及び辞職勧告決議が可決した原因になった事実関係を以下のように否定しています。

平野文書 本文全文(太字は筆者)

12月13日の文教福祉常任委員会において、当該委員会の委員長である、私、平野 裕子に対し、不信任決議及び辞職勧告決議が提出され、両決議ともに可決されました。

これらは、「委員長権限において、髙橋とみお委員の発言を中止する旨要請した」ことを理由として提出されたものですが、発言を中止した事実はなく、当該委員の発言を簡明にすることを促し、円滑な委員会運営を期するため、要請したものであり、委員長の議事整理権の範疇であると認識しております。

委員会の使命である、付託案件の専門的審査を第一義として、円滑かつ効率的な委員会運営を図るため、今後とも引き続き、委員長としての職責を全うする所存でございます。

以上の文章の中に、以下二つの「事実の捻じ曲げ」が存在します。

髙橋とみお委員の発言を中止した事実はない 当該委員の発言を簡明にすることを促した

次回の原稿では、議運で配布された公式文書である平野文書が、事実の捻じ曲げをしていることを、事務局資料の内容を追う形で立証します。

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