気がつけば今年のカレンダーは1枚になった。晩秋からの投げ釣りの人気ターゲットはカレイ。11月27日(日)午前6時から愛知県の常滑りんくう釣り護岸へカレイを狙って出かけた。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・JOFI愛知・大田豊明)

堤防投げ釣りで29cmマコガレイ手中 好ゲストに「ワタリガニ」も顔出し

りんくう釣り護岸でカレイ狙い

潮は旧暦11月4日大潮後の中潮、満潮8時35分、干潮14時1分。同行は名古屋市の長澤崇史さんと小4の怜央君の2人。さすがにアジ釣りの釣り人はいなくなったが、ルアー釣りや探り釣りの人が早朝からサオを振っている。釣り場の中間部を釣り座と決め、隣の釣り人にあいさつする。

この日も朝から順調に釣れ続けた。長澤さんのタックルはチョイ投げの長さ2m前後のサオに小型スピニングリール。ナイロン3号ラインにオモリ7号、市販の投げ釣り2本バリ仕掛け。投点20~40mの投げ釣りにハゼ、キスなどが上がってくる。足元を探ればクジメ、カサゴなどの底魚が釣れる。午前10時前に怜央君のサオにマコガレイ29cmがヒットした。

多彩に9魚種をゲット

午前6時半から午後2時すぎまでの全釣果はキス、ハゼ、マコガレイ、カサゴ、メバル、クジメ、ウミタナゴ、ワタリガニ、フグの9魚種だった。釣れた時間帯は午前7時~10時がもっとも良かった。近くでは大きなアカエイも上がっていたが、尾ビレにトゲがあって危険な魚なので、すぐにリリースしよう。

そろそろカレイ釣りも終盤に入ってきた。深い海から沿岸の砂地に乗っ込んできたカレイは産卵を始める。産卵期はエサを食べなくなるので、釣れるのは12月中旬くらいまでだろう。

堤防投げ釣りで29cmマコガレイ手中 好ゲストに「ワタリガニ」も顔出し良型のハゼとキス(提供:週刊つりニュース中部版APC・JOFI愛知・大田豊明)

魚は変温動物だ。つまり海水温に自身の体温を合わせている。急に寒くなるとしばらく釣れなくなる。この間に体温の調整をしているからだ。急激に気温が下がった後の3日くらいは釣りを控え、気温の安定した日を選べば釣果が望める。

最近、釣り場にゴミが増えてきた。特に仕掛けやハリなどは危険なのでゴミ袋に入れて持ち帰ろう。みんなが集う公共の遊び場を大切にしたい。

カレイの生態を資料からひもとく

カレイの生態や行動などを記した書物が少なくなった今、貴重な資料から概要をひもといてみる。文は都合上、筆者が意訳して記す。

週刊釣りサンデーの小西和人は著書『カレイのすべて』で「釣れたカレイと釣ったカレイ」をこう記す。カレイ釣りは「釣れた」のと「釣った」のとでは、その釣り味は大違いである。アタリがないのに上げてみたらカレイがついていた、なんていうのはカレイを釣ったのではなく、釣れた方の見本である。カレイはエサをくわえたら他の魚のように逃げ出さず、そのまま海底でゆっくり食べ始めるからアタリは小さく二度三度と続かない。最近はあまり見かけないが、サオ先に鈴を付けている人がいる。「あの鈴はヘタ、ヘタと鳴る」と私は皮肉ったものである。

堤防投げ釣りで29cmマコガレイ手中 好ゲストに「ワタリガニ」も顔出しクジメとメバル(提供:週刊つりニュース中部版APC・JOFI愛知・大田豊明)

魚類学の落合明農学博士はカレイの生態を解説する。日本の沿海には約40種のカレイがいるが、釣りではオヒョウ、マツカワ、クロガシラカレイ、ヌマガレイ、マガレイ、マコガレイ、イシガレイが代表格だろう。

カレイは一般に昼間より夜間に活発に移動する。このような習性は嗅覚が発達していて、多くの情報を臭いから得ている。また側線も複雑で、これはデリケートな水の流れを感受する能力を示している。

カレイは海底または海底近くに住む底生生物を常食する。小型のエビ・カニ類、二枚貝、ゴカイなどの多毛類、ヒトデ、小型の底魚が主食である。(『カレイのすべて(1981年刊)』)から引用。