米諜報機関は9月初め、「ロシアが北朝鮮から弾薬を購入している」と報じていた。具体的には「米当局者は短距離ミサイルと砲弾の疑いがある」という。西側軍事専門家はロシアが北朝鮮から武器を入手していることについて、①ロシア軍の武器が不足してきたこと、②対ロシアの制裁が効果をもたらしていること、と分析している。

なお、北朝鮮が11月、ロシアに鉄道で軍需物質を輸送したという情報について、北朝鮮外務省報道官は22日、「荒唐無稽で、事実ではない」と完全否定し、「事実無根の朝露間の武器取引説より、ウクライナ軍に殺人武器を提供している米国の行動に関心を注ぐべきだ」と反論している。

参考までに、ベラルーシの民主化活動家アレシ・ビャリャツキ氏やロシアの団体「メモリアル」と共に2022年ノーベル平和賞を受賞したウクライナの人権擁護団体「市民自由センター」のリーダー、オレクサンドラ・マトイチュク氏はn-tvとのインタビューで、「プーチン大統領はウクライナ侵攻の理由としてウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟問題を挙げていたが、プーチン大統領はNATOなど恐れてはいない。恐れているのは自由だ。ウクライナが民主化され、ウクライナ国民が自由を得ることを恐れてきたのだ」と述べ、「ウクライナ戦争は単にウクライナとロシア間の戦いではなく、全体主義的独裁国と世界の民主国との戦いだ」と指摘し、「ウクライナ戦争を止めることができなければ、プーチン・ロシアは他の地域でもその覇権を拡大していくだろう」と警告を発している。

プーチン大統領がウクライナ戦争でワグナーの傭兵グループに頼り、北朝鮮からは弾薬や軍事物質を入手している、という情報が事実とすれば、軍事大国ロシアの名が廃る。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2022年12月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。