食品メーカー各社の値上げ動向は……
ここからはカテゴリー別に値上げの動きを見ていこう。
【調味料】
アヲハタは家庭用ジャムやホイップ・スプレッド類計43アイテムを4~12%値上げした。エバラ食品工業は焼肉のたれ、てりやきのたれなど肉まわり調味料20品目を約7~10%、横濱舶来亭シリーズなどの9品目を10~38%と大幅に値上げしている。ミツカンは食酢ドリンクなど33品を最低5%~最高13%値上げした。
また、桃屋の「食べる調味料シリーズ」や「中華壜詰シリーズ」14品目もオンライン通販の価格改定を行った。味の素では今年に入って5度目の価格改定を11月に行った。今回は業務用調味料、だし、スープなどの製品127品目を全体で約2%~17%引き上げた。
このように、調味料では各企業で再値上げや値上げ対象の商品群の拡大などが起きている。
【乳製品】
乳製品は明治、森永乳業、雪印メグミルクと大手3社が11月に価格改定を発表した。明治では牛乳類、ヨーグルトなど5つの商品群の計115品を2~7.5%値上げした。森永乳業も同じく牛乳類、飲料、ヨーグルトなど105品を3.6~10.5%値上げした。雪印メグミルクは家庭用67品を最低4%~最高12.5%、業務用6品を7.4%~9.2%値上げしている。

【飲料・酒類】
飲料は、大塚製薬が「オロナミンC」「ファイブミニ」「ファイブミニプラス」において、メーカー希望小売価格の+14%という値上げを行った。酒類では、月桂冠が日本酒、リキュール、輸入酒類など約150品目について約3%~14%の価格引き上げを行った。
このように、飲料・酒類では最高で14%とほかの品目に比べて値上げ幅が大きい点に注意したい。
【菓子類】
菓子類ではカルビーが2022年に入り6月、9月につづき3度目の値上げを敢行した。かっぱえびせんなどの合計30品目を10%~20%値上げした。湖池屋ではスナック菓子5品目を価格改定、1品目は容量変更を行った。湖池屋も6月に一部商品の容量変更を行い、実質値上げを行っていたが11月からはさらに4%~9%ほど価格を引き上げることになった。
砂糖は2021年から35円も値上げ……外食も値上げラッシュ!
原材料の値上げの動向も見ていくと、小麦や油などと同じく、砂糖も12月1日より出荷価格を1kg当たり6円相当(約3%)値上がりすることが精製糖業界最大手のDM三井製糖より特約店に通知された。砂糖の価格改定は2022年7月に続き2度目となる。
ちなみに2021年は3度の価格改定で計17円の値上げが実施され、2022年の2度の価格改定の値上げ高は計18円となる。合計すると2021年から35円の値上げとなっており、影響は深刻だ。砂糖は年末年始に多く消費される品目なだけに、このタイミングでの価格改定は企業や消費者にとって一層重いものとなるだろう。
値上げの波は外食にも押し寄せている。東京商工リサーチによると、大手外食チェーン122社のうち2022年にメニュー価格の値上げ公表したのは82社であり、およそ7割に達している。また、そのうち2回以上の値上げを公表した企業は28社で、全体の2割超となった。
総じて原材料の高騰が値上げの原因であり、主力メニューが小麦などの輸入食材に依存している企業において値上げが先行したが、秋以降は国産食材を取扱う業態にも値上げが拡大している。2022年11月には「餃子の王将」や「リンガーハット」、「ミスタードーナツ」、12月には「カレーハウスCoCo壱番屋」「ドトールコーヒー」「天丼てんや」のほか、クリスマス後にファミリーマート(東京都)の「ファミチキ」などコンビニのFF(ファストフード)商品の値上げが発表されている。