社会人が英語の勉強を始めるきっかけは人それぞれ。「趣味をもっと楽しむために」という人もいれば、「会社に言われて仕方なく」という人も。しかし、多くの人に共通するのは、はじめは高かったモチベーションが、徐々に低下していくということだ。どうすればモチベーションを維持できるのか? TOEIC L&Rテストで70回以上満点を取っている濱崎潤之輔氏と英語コーチの星名亜紀氏に聞いた。

会ったことがない人とでも仲間意識が生まれる

「毎日、これだけの勉強をするぞ!」と目標を設定。しばらくは順調に続くのだが、ある日、仕事が立て込んで、勉強をする時間が取れなくなった。すると、「勉強をしない日があってもいいかな」という気持ちになり、さらに2~3日、勉強時間が取れない日が出てくると、「もういいや」とまったく勉強しなくなる――。これが、モチベーション低下の典型的なパターンだ。

「これを防ぐためのベストな方法は、コーチをつけることです。監視してもらい、叱咤激励してもらえば、勉強を続けられます。しかし、コーチをつけるにはお金がかかります。そこでお勧めの方法が、SNSを使うこと。特にInstagramがいいですね。Instagramで『#toeic勉強』『#toeic初心者』『#toeic勉強垢』などを検索すると、TOEICの勉強をしている人たちが、ノートや参考書、問題集などの写真をアップしているのがたくさん見つかります。『今日はこれを勉強しました』『今日は〇分勉強しました』といったコメントを読んでいると、『自分も頑張ろう』という気持ちになれます。以前は日々の勉強をブログで発信する人も多かったのですが、ブログよりもInstagramのほうが手軽ですから、続けやすいと思います」(濱崎氏)

星名氏も、この方法を実践していたそうだ。

「他の人の投稿にコメントをしたり、自分も投稿をして、コメントをもらったりしていると、実際には会ったことがなくても仲間意識が芽生えてきて、コミュニティに所属しているような感覚になります。それが、モチベーション維持に役立ちました」(星名氏)

試験の点数を最終目標にしない

星名氏は、勉強を習慣化するために、「ハビットトラッカー」も使っていたという。やることを決めて、それをやったかどうかを毎日チェックするものだ。ノートやアプリなど、様々な形のハビットトラッカーがある。

「ポイントは、勉強を5~10分でできる小さなタスクに分けることです。そして、ちょっとしたスキマ時間に、そのタスクをこなして、ハビットトラッカーにチェックをする。これを繰り返すことで、TOEICで満点を取ることができました」(星名氏)

また、習慣化のためには、意識せずに勉強ができる環境を作ることも大切だという。

「食器を洗っているときやドライヤーをかけているときなど、生活の中には何も考えていない時間があります。そのときに目に入る壁に、勉強する内容を貼るのです。今は英検1級に挑戦しているので、英検1級で出題されるスピーチの短文を、家の中の5カ所に貼っています」(星名氏)

そして、もう一つ重要なのが、試験を目標とせず、通過点にすることだ。

「TOEICで満点を取る前に、3回連続で、もう少しのところで満点を逃したことがありました。そのとき、もうこれで十分じゃないかと思って、勉強をやめそうになりました。けれども、英語コーチとして活動し、自分の学習経験も伝えていくためには、やはり満点を取るべきだと思い直したんです。試験の点数を目標に勉強をされている方は多いと思いますが、そうすると、途中で諦めてしまいやすいのではないでしょうか。試験で点数を取った先で、どんなことをしたいのかをイメージできていると、挫折しにくいと思います」(星名氏)

文・濱崎潤之輔(大学・企業研修講師)・星名亜紀(英語コーチ)/提供・THE 21 オンライン

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