フロートの種類

フロートの種類は実に豊富で、各メーカーが多くのフロートを販売しています。種類を大別すると前述した「フローティング(浮く)orシンキング(沈む)」に加え「中通しタイプor固定タイプorワンタッチタイプ」といった取付方法の違いがあります。

『フロートリグ』使い方解説 強みは飛距離だけでなく【浮いたまま誘えること】フロートリグの種類(作図:TSURINEWSライター檜垣修平)

固定式のフロート

私個人のおすすめは、「固定タイプ」です。固定タイプは他に比べて圧倒的に飛距離が出ます。しかし、固定タイプではリグを組むのに高度なFGノットが必須の場合もあり、リグを組む難易度や手間がデメリットになります。

中通し式のフロート

中通し式では固定式と違いリグが組みやすいものが多いことや、遊動式の構造上、バイト時の食い込みが良いというメリットがあります。また、中通し浮きを起点にしてジグを真下に落とす、縦の釣りができるのも状況によって武器になります。

後付け式のフロート

またジグ単のリグのまま、リーダーに後付けできるフロートも発売されています。メリットは簡単にリグが組めて、ワンタックルでフロートリグを使えることです。ただ、タックルの強度上あまり重いフロートは使えないことが多く、リグの構造上も飛距離はあまり出ません。

フロートリグのタックル

通常のライトゲームで想定されるよりも重たいリグを投げるので、適合ルアーのMAXが15g程度のロッドがベターです。メバル用のLクラスでも大丈夫ですが、10g以上のリグをつける場合は、ロッドを折らないように注意してキャストしてください。メーカー各社がフロートやキャロ専用の番手を出しています。

また、ラインもアジングではよく使われるエステルラインは切れやすいのでPEラインを使うようにしましょう。例として僕のタックルを記載しておきます。

筆者のタックル

ロッド:ブルーカレント82
リール:LT2500番サイズ
ライン:PEライン 0.4号
リーダー:フロロカーボンライン2号

フロートリグが有効なシーン

冒頭で記載したように、「フロートが最強リグだ」という訳ではありません。フロートにはフロートの得意分野があります。

深場には不向き

カサゴ類を狙う場合などはボトムの釣りとなる訳ですが、フローティングのフロートの場合、水深がある場所ではボトムを取ることは不可能です。よって、カバーできるのは表層までと思ってください。

シンキングであれば中層以深も攻めることは可能ですが、沈下速度の関係や、浮き上がりやすいといった特性があるので、あまり深い場所には向きません。水面付近に魚がいない場合は、場所を変えるか、ジグ単に戻すほうが効率が良いでしょう。

遠浅な地形にマッチ

ずっと浅い岩場が続く場所やスロープ攻めなどでは、フロートが非常にハマる事があります。ジグ単では到底攻められないような、藻が水面下まで多く茂っている場所でも、潮位によってはフロートであれば攻略できることもあります。

ジグ単ではどうしても届かないボイルや沖の潮目は、他のアングラーも指を咥えて見ているだけ……ということも多いです。そんな竿抜けポイントを直撃してやりましょう。スレていないフレッシュな魚に出会えるかもしれませんよ。ライトゲームの攻略の幅をフロートリグはぐっと広げてくれます。

シーバスやバスでも

アジや根魚、カマスなどライトゲームの代表的な対象以外に、シーバスなど大型の魚がマイクロベイトを偏食しているタイミングでもフロートリグは効果的です。ある程度強度のあるタックルで軽量リグを扱えるというのもメリットになります。

またワームをよく使うクロダイのチニングやバス釣りでも有効です。バス釣りでは障害物にわざと根掛かりさせて外し、縦にワームを落とす「ハングオフ」と呼ばれるテクニックがありますが、中通しのフロートでも似たようにエサが落ちる動作を演出することができ、表層の釣り以外にも活用できます。