ユセフ・エン=ネシリ(セビージャ)

カタールW杯を通して2得点を挙げ、モロッコの躍進に貢献したFWユセフ・エン=ネシリ。印象深いのはやはりポルトガル戦で見せた打点の高いヘディングでのゴールだ。相手DFのはるか上から叩く豪快なゴールであったことはもちろん、このゴールがアフリカ勢初のベスト4につながったことから、歴史的な一発だったと言える。ゴールの他にも、長身を生かしたボールキープで前線の起点となるなど強力な両サイドを生かす軸としても活躍。まだ25歳と発展途上なだけに、次回2026年W杯も考えればさらに手を付けられない存在になることも大いにありうる。

モロッコ代表 MFアゼディン・ウナヒ 写真:Getty Images

アゼディン・ウナヒ(アンジェ)

まだ22歳ながらも、MFアゼディン・ウナヒは今カタールW杯でポテンシャルの高さを示した選手の1人だ。相手DFの飛び込みづらい細やかなボールタッチのドリブルで敵陣深くに侵入し、チャンスを作り出せる能力はまさに脅威。ゴール、アシストといった数字に残る結果は残せなかったが、ウナヒの存在は間違いなくモロッコの攻撃を活性化させた一因と言える。また、運動量もウナヒの魅力の1つ。試合終盤になっても、攻撃はもちろんプレスも決してサボらない。その存在感は、移籍マーケットで争奪戦が予想できるほど大きなものと言えるだろう。まだ若い新星の去就には今後も注目していきたい。


モロッコ代表 GKヤシン・ブヌ 写真:Getty Images

ヤシン・ブヌ(セビージャ)

数多くのPKストップを含むスーパーセーブが見られたカタールW杯。その中でも抜群の安定感でモロッコの堅守を支えたGKヤシン・ブヌは、大会随一のGKと言えるのではないだろうか。グループリーグでは強力なアタッカー陣を擁する3ヵ国(クロアチア、ベルギー、カナダ)を相手にしながら、失点はわずかに1。加えて決勝トーナメント1回戦ではスペインの猛攻を0に抑え、PK戦でも2本を止めて見せた。昨2021/22シーズンは所属するセビージャで、シーズンにおいて1試合あたりの平均失点が最も少ないGKに与えられるサモラ賞を受賞している。実績もさることながら、今大会の大舞台で見せた安定感があれば、ビッグクラブから声がかかってもなんら不思議はない。


モロッコ代表 MFソフィアン・ブファル 写真:Getty Images