一方、アジアは儒教の影響を受けています。これが悪いのだとみています。まず、男尊女卑があります。次いで長男至上主義があります。戦前、貧しい頃、子供を養子や里子に出し、海外に移住させるなど「家族が喰えないから家族を離散させる」ことを好む好まざるにかかわらず行ってきました。中国はどうでしょうか?男尊女卑は日本よりはるかに強く、一人っ子政策の時、女児を出産した場合、裏で手を廻して里子に出すのは当たり前でした。その女児がどこに消えたかはわかりませんが、統計上、男児ばかり増えて人口バランスが崩れています。韓国は言うまでもなく、儒教がはびこっていましたから合計特殊出生率は0.84とてつもなく低い出生率にあえいでいます。

つまり東アジアでは拡大する家族中心主義という発想は弱く、長男とそうではない人たちとの軋轢が常に起きます。その裏には東アジアに強く見られる拝金主義があると考えています。これが少子化の根本理由ではないか、と疑っています。

そう見ると小手先の対策では少子化が止まることはないことがお分かりいただけると思います。

これに対して一部からは昔は人口が少なかったのに社会が廻っていたではないか、という意見があります。明治維新の時は3000万人だったと。その時と今を人口だけで比較するのは無謀の極みです。これだけ進化した社会、経済をどう支えるのでしょうか?インフラの維持は?東京や大都市にそびえる高層ビルに誰が入居するのでしょうか?年金はどう維持しますか?住宅の多くは廃墟と化すのでしょうか?つまり3000万人の人口が1億2000万人に増えていく場合は経済や社会が徐々に大きくなる仕組みがあるのですが、今、その逆行が進行中なのです。80年後に家の周りはペンペン草だらけです。想像できますか?

では日本はどうすればよいのでしょうか?100年後に人口が今の1/3になる前提の都市計画と社会整備基盤を考えるしかありません。まず、経済的規模を維持し、インフラを集約するために地方はよりコンパクト化させます。(成功例はないとされますが、簡単に成功させる方法があります。ただ、今日はトピずれなので割愛します。)農業も産業も機械化をさらに推し進め、生産効率を格段に高めること。次いで定年制度を撤廃すること、効果はあまりないと思いますが、移民政策は開放型にするべきでしょう。民間企業、特に不動産の開発は要不要を見極め、将来需要がないものは止める勇気も必要です。

GDP成長は現在1%程度ですが、たぶん、遠からずマイナス成長に転落するでしょう。沈むなかでボトムラインを抑える、これが喫緊の課題です。

日本はこれほど山がちな地形にもかかわらずどこにも人が住んでいます。カナダはこれから100キロ先まで人が住む村はないというところは普通です。今の日本の方は笑うでしょう。それが将来、日本で起きることになるのです。美しき山里は維持できない、でも移民もいや、子供も増えないなら他に選択肢はない前提でどう社会基盤を維持していくかを考える時代ではないでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年12月20日の記事より転載させていただきました。