これらの購入の理由も希少性です。
しかし希少性だけではなく実物資産購入には別の理由も存在します。
それはインフレによる法定通貨の価値の下落です。マーケットに大量の法定通貨が流通すれば、その価値は相対的に低下する。そのような、通貨価値の下落によるインフレに備えるためには、貨幣を実物資産に交換するのが最大の資産防衛策になります。法定通貨を持つ恐怖心を感じているのです。
日本の財政状況の悪化は、軍事費増強の必要性からさらに加速してきます。増税も予定されているようですが、多くの国民は増税よりも前にやるべきことがあると考えています。内閣支持率を意識している政権は、結局中途半端な増税と国債発行によって財源を賄う選択肢を取らざるを得ません。
国債発行による財政赤字の拡大を最終的に解決する処方箋は「インフレ」しかないのです。
確かに実物資産には、流動性が低いという問題点はあります、しかし、それを補うほどの将来の経済環境の変化に対するメリットがあるのではないかと考えています。
中央銀行が発行する日本円、アメリカドルといった法定通貨の保有リスクに、今から対処すべきです。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年12月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。