攻守両面で輝いた22歳DF
この試合で特に機能していたのが、マイェル(24歳)とヨシプ・スタニシッチ(22歳)による右サイドコンビ。マイェルが大外のレーンに立ち、ハーフスペース(ペナルティエリアの両脇を含む、左右の内側のレーン)からスタニシッチがタイミング良く攻め上がる場面が複数回見られ、このコンビネーションがソフィアン・ブファルやヤヒヤ・アティヤットアラー(モロッコ代表の左サイドハーフと同サイドバック)を混乱させていた。
勝ち越しゴールの直前にも、ペナルティアーク付近に立っていたマイェルからのパスをスタニシッチが敵陣ペナルティエリア右隅で受けており、ここからクロアチア代表が決定機を迎えている。この20代前半コンビが、今後もクロアチア代表のサイドアタックを牽引しそうだ。
スタニシッチは守備面でも気を吐き、対面のブファルを封印。前半18分には中盤から敵陣へ攻め上がろうとしたブファルに激しく体を寄せ、アンドレイ・クラマリッチによるボール奪取をサポート。このスタニシッチの守備を起点に、クロアチア代表がカウンターを発動している。バイエルン・ミュンヘンに在籍中の22歳のDFが、表彰台がかかったビッグマッチでズラトコ・ダリッチ監督の期待に応えてみせた。
今大会で名をあげたグバルディオルのみならず、マイェルとスタニシッチも潜在能力の高さを誇示。2大会連続で好成績を残したクロアチア代表の新陳代謝は、順調に進むかもしれない。