新しいことに挑戦しビビッドな日々を送る
ではどうすれば良いのだろうか?その方法とは「新しいことに挑戦して意図的に毎日に変化をつけ、ビビッドな日々を送る」これしかない。
先ほど、無意識での処理が記憶を作らない原因ではないかという仮説を取り上げた。ということは、この逆をすればいい。つまり、無意識ではできない、強く意識しなければいけない挑戦をするということである。そうすることで時の流れをしっかりと実感しながら毎日を送ることができるだろう。
この仮説はおそらく正しい。筆者の自己体験的にも、10年前と現在とでは明らかに現在の方が時の流れが遅く感じていることに裏打ちされている。なんなら、勉強以外ほとんど何もしなかった20代の大学時代と比べても、今の方が時間の流れは遅いと感じられるくらいである。
自分でビジネスを立てるとなると、毎日が変化の連続である。否、変化できなくなった時が引退のタイミングだとすら思っている。考えるのをやめ、変化することをやめたら事業者は終わり。だから毎日考え、毎日変化する必要がある。そして自分は育児は仕事より多くのリソースを投入して本気でコミットして、あらゆる家事は自分が担当している。こちらも変化の連続である。
子供は一日で変わる。昨日までハイハイだったのが、今日からつかまり立ちをしたら、掃除のレベルを一段階引き上げることになる。保育園では小さなことから、大きな問題や悩みを日々持ち帰られるのでその都度、夫婦で話し合いPDCAサイクルを回しながらリアルタイムで最適解を模索し続ける毎日である。
だがこの変化ばかりの毎日は悪いことばかりではない。仕事ではスキルが向上し、家族の絆が深まるという副次的な効果もあるが、「時の流れが遅くなる」という効果も確実にあると感じられる。
一年前の家族写真を見ると、「まだ一年しか経ってないのか。もう3年以上前の写真かと思った」と感じることはしょっちゅうである。それほどまでに、毎日ヘトヘトになるほど意識的に活動をしているわけだが、そのおかげで思い出は山ほど積み上がるし、時の流れも学生や会社員の頃に比べると、相対的かつ明確に緩慢になっていると感じられる。
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よく「もう色々と考えたくない。FIREして毎日夏休みのようにボケーっとのんびりすごしたい」という意見があるが、これは人を選ぶ生き方だ。何もしない生き方は、人生の記憶が何も残らない生き方と同義である。
筆者も一切働かず、育児を妻にお任せして何もしない生き方を選べなくはないが、何もしない生き方の辛さがわかっているからリタイアにまったく興味はない。年をとると一番価値を帯びるのはお金ではなく、思い出だ。今の内に思い出を積み重ねているところだったのだが、知らず知らずの内にジャネーの法則を打ち破ることになっていたのだと最近気づいたのだ。
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