雨の中で46cm大イワナ登場

8回目の朝駆けは雨が止んだり降ったりを繰り返す中、初日に叩いた区間を再度アプローチします。その区間にある淵は1m以上の深さがあり、上流からの流れが対岸際にぶつかりエグレを形成しています。雨の影響でやや水が高い状況で、尺クラスのアメマスがカケアガリ付近で群れていてミノーを通すと次々とアタックしてきますが、イマイチ乗り切らない。アメマスの思わせぶりな反応はさすがにうっとおしくなり、そのカケアガリの群れをスルーして対岸のエグレをピンスポットで撃っていきます。

そして2投目、エグレに投げ込んだミノーを着底後軽くジャークしてシェイキングすると、何かがミノーを抑え込んできました。フッキングを決めるとドラグ音と共にエグレに向かって引き出されていくライン。ロッドを立ててラインテンションを保ちダッシュをいなすと、浮かんできた魚体は細かい白点を持ち、側線付近の斑紋は薄いピンクの美しい婚姻色がでており、さらに顎が三口に割れたいかつい顔つきのエゾイワナでした。サイズは46cmと貫禄十分。その日はそのイワナで満足し余裕を持って出勤しました。

晩秋の北海道での渓流ルアー釣行で46cm大イワナに60cmアメマス手中46cmのエゾイワナ(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

朝駆け最終日で60cmアメマス

翌日は休日、別の河川で40upを2尾キャッチして迎えた朝駆け10回目。11月に入り朝の冷え込みもいっそう厳しく布団から出るのがきつくなってきたので、この日が今シーズン最後の朝駆け。最後は一番の実績ポイントであるあの淵を含む区間に向かいます。

またいつものように尺クラスのアメマスをぽつぽつ拾いながら到着した淵をよく見ると、下流のカケアガリのボトム付近に40cmクラスのアメマスが小型とともに佇んでいます。狙いをその個体に定めアップクロスで対岸エグレにキャスト、ミノーをドリフトさせながら沈めてトゥイッチをかけます。

エグレの最深部はこちらからは見えませんが、うっすらと黒い何かが翻る様子が見えた瞬間、強烈な重みとともにミノーが押さえ込まれます。反射的にロッドを煽ってフッキングすると、グイグイ絞り込まれていくロッドティップ。PEラインを通じてグオングオンと音が聞こえそうな首振りが手元に伝わってきます。

落ち着いてドラグを調節し、角度に気を付けながらロッドを立ててラインテンションを保ちいつでもすくえるようにランディングネットを足元に置いてアメマスのダッシュをいなします。

表層まで上がってくると、その巨体を振り回し水面は爆発状態。ランディングネットの全長より大きな個体、ここでミスるともうこの日は台無しになる、まさに天国と地獄の境目。一進一退の繰り返しの後、なんとかアメマスの頭をネットに入れ体を押し込みようやく確保。薄く紫がかった鈍い光でコーティングされた赤茶色のボディに散らばった白点、ワニのように発達した顎に白からオレンジのグラデーションに縁取られたヒレを持った素晴らしいアメマスでした。

いつまでも見ていたいほど美しい個体でしたが、サクッと撮影を済ませてリリースすると水飛沫をあげて淵の底に潜っていきました。極太60cmという今年最後の朝駆け釣行を締め括るにはこれ以上ない最高の結果に意気揚々と出勤するのでした。

晩秋の北海道での渓流ルアー釣行で46cm大イワナに60cmアメマス手中60cmのアメマス(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)