そして、道徳によって言論が侵食されていくのはまさに日本と共通するものがある。
道徳が前面にかざされ、誰もが絶対に逆らえないような理屈で、自由な言論が少しずつ侵食されていきます。この、いわばソフトな全体主義化と前述のSDGsは、私の目にはまさに同根のように映ります。
そして、コロナに限らず、気候温暖化への疑義をネットで発信しようものなら、動画もSNSもアカウントが停止されるのである。
たとえば、今ではドイツでも日本でも、気候温暖化の信憑性について疑問を呈しただけ で、フェイクを垂れ流した廉で、YouTubeのチャンネルや、ツイッターのアカウントを停止されてしまう。これが民主主義の進化した形だとは到底思えませんが、では、いったいどう説明すればいいのか? 私の疑問は膨れるばかりです。
日本人のわれわれも疑問が膨らむばかりである。ドイツで何が起きているのか。ワールドカップの予選敗退はその予兆か知らないが、とにかくドイツの変貌はここにきてあからさまなものとなっている。それは原因なのか、予兆なのか。
本書『左傾化するSDGS先進国ドイツで今、何が起こって いるか』を読んで、「ドイツの空気」にぜひ触れてほしい。
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第1章 3党連立政権でさらに左傾化するドイツ 第2章 メルケル政権からドイツの左傾化が始まった 第3章 脱原発と再エネで破綻するドイツのエネルギー政策 第4章 電気自動車へのシフトに見るドイツの社会主義国ぶり 第5章 コロナ禍で浮き彫りになった言論の不自由 第6章 左派勢力による行き過ぎた平等志向 第7章 LGBTが揺るがすドイツの価値観 第8章 過剰な人道主義がドイツの難民政策を誤らせた 第9章 軍隊嫌いなドイツ人は本当に転換するか 第10章 ポピュリズム政治で失われる経済合理性
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