異なる複数の業種がby b8taを導入
ラウンドテーブルではby b8taを導入する3社が発表された。ECブランドの体験型シェア店舗を展開するN2iでは常設店のオープンに伴いby b8taの売らないトレーニングを導入。目的は、顧客からマーケットデータを引き出しD2CブランドのPDCAに活かすためだ。
携帯ショップを全国で430店運営している兼松コミュニケーションズは市営地下鉄横浜駅構内でカフェを運営。そのカフェにby b8taを導入し、横浜や神奈川の名産品、工芸品や新しい商品をカフェのお客に提案したいと話す。
日産自動車のディーラーである福島日産は、年間に約1万人が来店する郡山店にby b8taを導入。売り場から体験場への転換を図り、すでに6社が出品意向を示しているとのことだ。

売らない店の接客はクロージングをゴールとしない
ラウンドテーブル終了後、北川代表に話を聞くことができた。by b8taを導入する場合、企業サイドへのヒアリングに1~2カ月、ゴールや導入サービスの決定に1カ月と決して短くはない時間をかけている。「どのような目的のために売らない店やコーナーを設けるか、お互いに共通認識を持って進めていくことを重視している。現場の確認も含めて当社からの提案も行っているため、どうしても時間は必要になってくる」という。
ただし、これはある程度の出店スペースを想定した場合で、ソフトウェアとハードウェアのみの導入や売らないトレーニングのみであれば、すぐに提供が可能とのことだ。
by b8taが提供する8つの項目の中に売らないトレーニングがある。これは1日7~8時間で2日間の研修。初日は、いわゆる概念編で2日目はOJTによる実践編となっている。概念編は売らない店で接客するにあたって、どのような考え方やアプローチが必要かというのをレクチャーするものだ。
一般的な小売業での接客と売らない店での接客との違いを、北川代表は「クロージングを意識するかしないかが最大の違い」と説明する。接客による商品購入をゴールとした小売業の接客では、言うまでもなくクロージングが重要なポイントだ。しかし、売らない店のゴールは違う。
「来店客に商品を体験してもらい、どのように感じたかを聞き出すのが売らない店のゴールの一つ。また、良い商品と出会えた、楽しい時間を過ごしたと思ってもらうこともゴールの一つ。従来の接客とはゴールが違うので、端的に言うと売らないトレーニングは、接客担当者のマインドセットのために行う」という。

実店舗にとって品揃えは重要だが、ECの品揃えは店舗の比ではない。今後の実店舗は「売り場で体験を促す、データを集める、自社のファンを増やすといった場としての活用が進むと考える。しかし、自社でゼロからスタートするのは難しい。そこで、by b8taを活用してほしい」と北川代表は結んだ。
b8taは2023年春、関西初の常設店を大阪の阪急うめだ本店8階に出店する。by b8taの導入目標は2023年度中に30拠点で、消費者が売らない店に触れられる機会は多くなる。小売企業が実店舗を新しい価値提供の場として捉えて顧客の囲い込みを図る中、by b8taの動向は要注目だ。(BCN・風間 理男)
提供元・BCN+R
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