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公明党と創価学会の関係について、憲法の「政教分離原則」に反するのでないかという批判が後を絶たない。 だが、公明党の出現以前から、宗教団体が特定の候補者や政党を応援することは普通に行われてきたことだ。神道政治連盟は自民党の有力な支持団体である。
参議院議員選挙比例区ではさまざまな宗教が、組織候補といえるような形の応援もしている。かつては浄土真宗の東(真宗大谷派)と西(本願寺派)で地方選挙でも激突したこともあった。
それも含めて『日本の政治「解体新書」: 世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』(小学館新書)で論じている。
政教分離を定めた憲法第20条は、以下のようになっている。
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
1の「国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」で、宗教法人が税制上の優遇を受けることを「特権」だとする人もいるが、他の非営利団体と同じなら問題ないと普通はされる。文化財の寺社も、他の文化財と同様の援助はいいことになっている。
2では、例えば修学旅行で寺社に連れて行っていいのか、そしてそこで合掌させていいのかというのが問題になる。一般的には前者はセーフだが、嫌だという生徒に強制はできまい。後者はアウトだろう。
「ごちそうさま」と言って手を合わせるのもそれを拒否する人に強制すべきではない。「御馳走様」というのは仏教由来の言葉だからだ。宗教と関係ないと思う人も多いだろうから、たとえば、先生がご馳走様といおうというまではぎりぎりセーフだろうが、嫌なら絶対に強制は良くない。