大きなカマを持ち攻撃的な性格をしたカマキリ。
細長いシャープな体を持っているのが特徴的ですが、実はその体内にはカマキリ自身を死に導く恐るべき寄生虫に感染している可能性があります。
カマキリを襲う恐怖の寄生虫の生態や、なぜカマキリが死に導かれることになるのか、その理由をご紹介します。
ハリガネムシとは
![カマキリに宿る「ハリガネムシ」は、カマキリを死に導く恐怖の寄生虫!?](https://cdn.moneytimes.jp/640/367/TrkISvRIvjhHftSfPpKlURPLkRgFmZSw/96403bdb-84ac-42d7-a9d7-4ccc2d3ccbc3.jpg)
カマキリの体内に宿り、死に導く寄生虫は「ハリガネムシ」といいます。
ハリガネムシの特徴
このハリガネムシは、体長が最大1mまで成長する生き物です。
それに対し、直径が1~3mm程しかないため、非常に細長い体をしています。
体に節もなく線状の体をしていますが、ミミズなどのように伸縮性は無く、その表面は丈夫な膜で覆われています。
膜で覆われたハリガネムシが、乾燥すると針金のように硬くなることからその名前が付いたといわれています。
ハリガネムシは総称
ハリガネムシというのは特定の生き物ではありません。
類線形動物門ハリガネムシ綱ハリガネムシ目に属する生き物の総称です。
ハリガネムシ自体は世界中に存在しており、発見されているだけで320種以上、実際には2,000種以上はいるだろうと考えられている寄生虫です。
カマキリ以外にも寄生する
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カマキリの寄生虫ではありますが、他にもバッタやカマドウマ、コオロギ、キリギリスといった昆虫類に寄生することが確認されています。
寄生主を操るハリガネムシ
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どのような手段でハリガネムシはカマキリなどの昆虫に寄生するのかを見ていきましょう。
最初はヤゴなど水中昆虫に寄生するハリガネムシ
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ハリガネムシは水中で孵化します。
孵化したハリガネムシの幼生は、カゲロウやヤゴなど水中昆虫によって体内に取り込まれます。
取り込まれてしまった幼生ですが、ここで消化されるわけではありません。
体の先端についたノコギリで水中昆虫の体内を進むと、その腹の中で成長していきます。
ある程度まで成長すると自身を殻で覆い休眠状態に入ります。
この状態を「シスト」といいます。
このシストの状態に入るとハリガネムシはマイナス30度という冷凍下になっても死ぬことがありません。
水中昆虫は成長すると羽根を持ち、陸上で生活するようになります。
ヤゴは成長しトンボとなり、カゲロウもまた成長すると羽根を獲得し、水生をやめます。
ハリガネムシは寄生主を操る
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成虫となり陸に出たハリガネムシに寄生された昆虫が、カマキリなど陸生の昆虫に捕食されると、ハリガネムシは寄生先を捕食した昆虫に変更します。
そして、カマキリなどの体内で、最大1mにまで成長をするのです。
寄生主の体内で成虫まで成長したハリガネムシは、ある種のタンパク質を寄生したカマキリなど昆虫の脳に注入します。
こうすることで、ハリガネムシは寄生先の昆虫を操作できるうようになるとされています。
ハリガネムシによって脳を操られたカマキリなどの昆虫は泳げないにもかかわらず、川などの水中に入水します。
もちろん泳げないカマキリたちは、入水することで命を落としてしまいます。