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能のレジェンドが崇拝する天河神社
存在感ある宮司一族は、有名な鬼の末裔!
能のレジェンドが崇拝する天河神社

そしてここにはとても素晴らしい「能舞台」があります。舞台を取り囲むように張られている御翠簾(みす)が上がると、そこには木々が枝を大きく伸ばしている姿が。
「杉、檜に神が宿る」と伺いましたが、ほのかに香り漂うそのご神気を吸い込みながら、木々に差し込む陽の光や風そよぐ自然の風景をバックに能を鑑賞できるなんて、こんなに贅沢なことはありません。

天河神社では年に3度、能が奉納されています。能の世界での大御所「世阿弥」の息子・観世元雅(かんぜもとまさ)が、ここまで辿り着くのが本当に困難な時代に天河神社を目指してやって来て、能と秘蔵の面を奉納したという歴史があるそうです。
この日の舞台は、鳥達のさえずりや秋晴れの天川を感じながらの心地よい能鑑賞となり、どこまでも贅沢で見応えのある舞台を体験。
能の最中に、演者の前を鳥がスーッと飛んで横切るような一幕があったのですが、「この舞台は自然と一体化できる」と伺っていた意味がとてもリアリティーを持って思い出されました。
存在感ある宮司一族は、有名な鬼の末裔!

天河神社といえば、もうひとつ。柿坂 神酒之祐(みきのすけ)大宮司(名誉宮司)さんという存在があります。柿坂家は、山岳信仰の開祖「役行者」の弟子の「前鬼と後鬼」の末裔なのだそうですよ。神酒之祐大宮司さんは65代目の宮司さんなのですが、ここまで存在感のある宮司さんはそうはいません。
若い頃に、世界を旅して回られていたという大宮司さん。様々な文化交流を経たご自分の経験を元に、大切なものは何かという事をとても大きな視点で私たちに教えてくれます。
今でこそ各地の神社でもミュージシャンが演奏したりイベントを行ったりしていますが、天河神社はそのさきがけのような存在。大宮司さんの音楽好きもあり、過去にはブライアン・イーノや細野晴臣など、数多くの大物たちがここで演奏をしています。

大宮司さんは引退された今でも、大きなお祭りでは神社にいらっしゃる時があります。秋季大祭の日は、大宮司さん自身の心から発せられる儀式の歌や言葉で空間を清められていました。とてもアーティスティックでチャーミングな大宮司さんは、天河神社の大らかな雰囲気そのものです。