自分が社長になれば大きくしたいという夢を持つのはとても大事なことです。ですが、私はそうではなく、今、自分の手持ち仕事をしっかりこなすこと、これを最優先にしないとあぶはち取らずになると申し上げたいのです。以前、「利益は良い仕事をした後からついてくる」という趣旨のことを申し上げたと思います。金勘定は後でよいのです。今、目の前の仕事を一生懸命やること、これが全てなのです。
アメリカなどで雇用調整が進んでいます。メディアの世界でも増えているようでCNNもリストラを実施することになったようです。通常、雇用調整の場合、仕事ができない人を切ります。企業の中で出来ない人とは企業に甘えた人だと私は思っています。周りの雰囲気に踊らされて中途半端な仕事をした人が切られるわけです。雇用統計で平均賃金がどんどん上がっている点について、賃金が安い人を切って高い人を雇うから上がるのさ、という記事を読んだのですが、まんざら外れてもいないのでしょう。
今日のブログは決して事業家向けだけの話ではなく、被雇用者にも当然当てはまります。時給なり、給料なりをもらって安定安泰だと思った瞬間、成長を目指す上での最大のリスクなのです。就職時期になると安定性から公務員や大企業を選びました、という声が聞こえます。申し訳ないですが、役所と大企業は実にかわいそうだとしか言いようがないのです。おまけに日本は首を切れませんから能力が落ちた人でもどこかの部署で拾ってくれます。すると閑職でも給与貰えるからいいか、という悪い循環に入ります。当然、そういう従業員は仕事にしがみつくのではなく、給与と安定にしがみついているのです。ですが、ここは共産圏ではないのです。
事業の大きさを図るのによく売り上げを基準にします。大企業の売り上げが兆円単位が当たり前になってくるとそれが良い会社、悪い会社の判断になりやすくなります。しかし、私は売り上げを追わず、良い仕事をする会社でありたいと思います。名刺は同じ会社のロゴが入っているけれど、接点もなければ話したこともない従業員ばかりというのも寂しいなぁ、というのが零細企業の経営者のつぶやきであります。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年12月4日の記事より転載させていただきました。