気前よく散在したり贅沢なホテルに泊まっていても、全額会社の経費で落としている人たちもいる。

私が銀行員だったとき、支店長が私を含めた数人の若手男子行員に、「おいお前ら、メシに連れて行ってやる」と言って(普通の居酒屋で)食事をご馳走になった。

勘定の段になって、支店長は名刺を出して「こちらに請求書を回してくれ」と店の人に言ったのを見て「?」な気分になった。

銀行の経費で払うのなら、なぜ我々は「ごちそうさまでした」と深々と礼を言わなければならないのだろうと。

短いサラリーマン生活だったが、身銭を切るときにその人物の品格を感じる。

野村投信に転職した出社初日、常務に「昼飯に行こう」と誘われた。

ささやかな出社祝いだと思って1000円もしない冷やし中華を食べたところ、勘定は割り勘だった(笑)

長銀退職前に退職の意向を次長(課長クラス)に伝えたら、「今晩空けてくれ」と言われて焼き肉屋に連れて行かれた(私としては気が進まなかったが)。

いろいろと理由を訊ねられたり慰留されたりした後、勘定の段になると割り勘だった。

経費だとガンガン使うのに、身銭を切るときは渋いという人は部下から軽蔑される。

私はサラリーマン時代、年次が下であれば男女を問わず「おごる」というポリシーを貫いた。

中高と体育会系にいたことが影響しているのかもしれない。

「デートの時に割り勘なんて絶対にあり得ない」と公言している女性が少なからずいるようだ。

しかし、そのような公言は戦略的に誤っている。

「割り勘OK」というシグナリングを出しておいて、デートの時に相手の男が払うかどうかを見極めるのが正しい戦略だ。

本当に割り勘にするようだったら・・・それを判断材料に使えばいい。

とある小説に「男は金のかかる女を嫌がる」とカリスマ婚活指導員が指導する場面があった。 その指導は実に正しい。

いきなり高級レストランなどを指名してくるような女性は、大抵の男は嫌いだ。

その時は大枚をはたいて見栄を張っても、後日の男同士の裏話では間違いなく「二度と付き合いたくない女」として話題に上ること確実だ。

編集部より:この記事は弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2022年12月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。