サウジアラビア:サーレム・アッ=ドーサリー(グループC)

初戦のアルゼンチン戦(11月22日)で見事な逆転勝利(2-1)し注目を集めたサウジアラビア。この逆転ゴールを決めたのが、MFサーレム・アッ=ドーサリーだ。特徴はなんといってもその高い技術。ゴール前でも落ち着いたプレーと確かなボールさばきで決定機を演出できる。

2戦目のポーランド戦(11月26日)はPK失敗という残念なシーンもあり敗北を喫した(0-2)が、多くのチャンスを演出できていたアッ=ドーサリー。何より初戦の歴史的な勝利もあってか、チーム全体としても自信を持ったプレーが多く見られ、結果ゲームメーカーとして仕事もしやすい状況になっていることだろう。

グループリーグ最終戦(12月1日)では難敵メキシコが待ち構えている。しかし、今大会で掴んだ自信とアッ=ドーサリーの技術で、アメリカ大会(1994年)以来となるベスト16入りを勝ち取ってほしいものだ。

オーストラリア代表 MFアーロン・ムーイ 写真:Getty Images

オーストラリア:アーロン・ムーイ(グループD)

オーストラリアは、アジア予選プレーオフ、大陸間プレーオフと、難しい状況を勝ち抜き今カタールW杯本大会への出場を掴んだ。前回王者フランスと同組となったグループリーグが厳しい戦いになることは、大会前から予想されていた。

初戦はいきなりそのフランス戦(11月23日)。先制こそしたものの、その後4失点を浴びて逆転負けを喫し(1-4)グループリーグ突破に向けて暗雲が立ち込める結果となっていた。

このフランス戦で、豊富な運動量でチームの心臓としての役割を果たしていたのが、MFアーロン・ムーイだ。崖っぷちで迎えた2戦目のチュニジア戦(11月26日)でも、攻守に渡って軸としての役割を全うし、3戦目に望みをつなぐ勝利(1-0)に大きく貢献している。

グループリーグ最終戦(12月1日)は強靭なフィジカルと組織力を誇るデンマークが相手。中盤の負担は大きくなるだろうが、ベテランとしてムーイの落ち着いたゲームメイクに期待したい。


日本代表 MF遠藤航 写真:Getty Images

日本:遠藤航(グループE)

ブンデスリーガで2年連続デュエル王となるなど、対人能力を高く評価されている日本のMF遠藤航。初戦となったドイツ戦(11月23日)でも、普段から対戦している選手たちが多くいることもあってか、的確なポジショニングや体の入れ方で攻撃の芽を摘み取る活躍を見せ、歴史的な勝利(2-1)に貢献した。

しかし、2戦目のコスタリカ戦(11月27日)では遠藤含む中央が沈黙。守備面の強度は従来と遜色ない働きで終始日本のペースで試合を進めたが、攻撃面では効果的な縦パスの本数も極端に少なく、結果相手にワンチャンスをものにされてしまう(0-1)。

グループリーグ最終戦(12月2日)の相手となるスペインは、いずれのポジションも能力の高い選手が揃う。特に中央はタレントの宝庫だ。また、スペインはドイツ戦に引き分けた(11月28日1-1)ことで、日本戦も主力をそのまま起用することも大いに考えられる。中央で身体を張って攻撃の芽を摘める遠藤の存在は大きい。

遠藤については、コスタリカ戦後右ひざを痛めたとの報道もあり、スペイン戦の出場が危ぶまれる状況だ。重要な潰し役である遠藤不在となれば、一方的に殴られる展開も予想できる。それほどまでに現在の日本代表にとって遠藤の存在は大きなものだと言えよう。


韓国代表 FWソン・フンミン 写真:Getty Images