写真:Getty Images

11月13日、J1参入プレーオフを含む明治安田生命J1リーグにおける2022シーズンの全日程が終了した。限定的ではあるものの、サポーターの声援も戻った今季。優勝争いや残留争いが最終節までもつれ込んだこともあり、大きな盛り上がりを見せたシーズンだった。

世間のサッカー熱がカタールで開催中のワールドカップ(W杯)に移る中、Jリーグファン、日本のサッカーファンにとってもう1つの関心ごとと言えば、オフの移籍関連の話題だろう。また、オフの時期に発表されるのは必ずしも他クラブへの移籍というわけではない。先の決まっていない状態での契約満了という発表もまた、この時期よく目にするニュースだ。

特に今年は、まだ11月のシーズン終了直後にも関わらず、各クラブから発表される契約満了の選手には驚くほどの戦力が並んでいる。ここでは、現時点までにJ1クラブでの契約満了が報じられた選手たちの中でも、今後の動向が気になる注目銘柄を5人紹介していく。


ヴィッセル神戸 FW藤本憲明 写真:Getty Images

藤本憲明(ヴィッセル神戸)

2019年にヴィッセル神戸に加入したFW藤本憲明。2021シーズンは一時、清水エスパルスへ期限付き移籍。その間、もともと藤本の背番号「9」をFWボージャン・クルキッチがつけていたことから、神戸に戻らないことも予想されたが、2022シーズンは神戸でプレー。しかし、開幕から間もない3月に負傷により長期離脱すると、9月の復帰後も公式戦の出場機会は限られ、結果10月30日にクラブ公式より契約満了が報じられた。

藤本は高校サッカーの名門、青森山田高校を卒業後、近畿大学を経てJFLの佐川印刷SCへ加入。その後J3の鹿児島ユナイテッド(2016-2017)、J2からJ1に昇格時の大分トリニータ(2018-2019)、そして神戸(2019-2022)と、JFLからJ1までステップアップを果たしてきた。そのキャリアからは、元イングランド代表のFWジェイミー・バーディ(レスター・シティ)と比較されることもあるほど、Jリーグでも異色の経歴を持つ。

神戸へ移籍して以降、出場機会の減少と相まってゴール数も少ない藤本だが、ゴール前での存在感と得点感覚は疑う余地がない。33歳の年齢による運動量の低下は懸念されるが、ゴール前で決定的な仕事のできるFWを求めるクラブは多いはずだ。次2023シーズンは、新たなクラブでかつての点取り屋としての活躍に期待したい。


ヴィッセル神戸 GK飯倉大樹 写真:Getty Images