生食リスク3:フグ毒

フグ毒は釣りをしない人でも知っているほど有名な毒ですね。

青酸カリの500倍の強さがある猛毒です。トラフグだけでなく、クサフグやヒガンフグなど、ほとんどのフグの肝臓や卵巣などの内臓に含まれています。

また、フグの種類によっては皮や筋肉にも含まれるため素人は絶対に手を出して引けない食材です。

サカナの生食に伴う6つの代表的なリスクと回避方法 鮮度は関係なし?トラフグ(提供:PhotoAC)

この毒は加熱に大変強く、調理程度の加熱では壊れず、トラフグ1匹分の毒量で約10人分の致死量に相当すると言われています。

症状は非常に重く、食後20分から3時間までに、口、唇、舌、指先のしびれが始まり、頭痛、腹痛などを伴って、激しい嘔吐が続き、歩行は千鳥足になります。

徐々に知覚麻痺、言語障害、呼吸困難が現れ、血圧が低下し、麻痺が全身に広がり、意識不明の後に死に至ります。

フグによる食中毒の経過は非常に早く、食べてから死亡するまでの時間は4から6時間です。食べたフグ毒の量が多いほど、発症までの時間が短く、重症になります。

回避方法

過去のフグによる食中毒は、素人調理によるものがほとんどで、フグを調理するには、正しい知識と技術が必要です。

フグの毒性は、フグの種類や部位、漁獲海域によって異なりますし、季節によっても無毒のものが有毒になったり、同じ種類のフグでも個体差があります。

この前は大丈夫だったから「今回も大丈夫!」ということは絶対にありえません。

そのためにもフグの調理には免許が必要になるのです。フグの素人調理は、絶対にやめてください。

生食リスク4:顎口虫

ヤマメやイワナなどの川魚、ドジョウ、ライギョ、ナマズなどの生食はあまり耳にしませんよね。

それは顎口虫という寄生虫が生息している可能性が高いからです。

顎口虫に汚染されたサカナを、調理不十分な状態で摂取することで感染すると、皮膚のかゆみ程度でおさまることもありますが、皮膚のミミズ腫れや痛みを引き起こすこともあります。

最悪の場合、目や脳などにも寄生虫が入り込むことがあり、失明や麻痺まひ、死の可能性もあるため非常に危険な感染症です。

回避方法

生食が一般的でない淡水魚はしっかり加熱処理を行うことが重要です。

しっかりと加熱をすることでほぼ100%避けることが出来ます。

しかし、危険なのが海外での食事です。東南アジアなどでは淡水魚は普通に流通しているため、レストランなどでも食べる機会が多いと言えます。

その際に日本に比べて調理が甘いこともしばしば……。海外での初期時の際はより一層の注意が必要です。