お店に行くと色々な値段のロッドが販売されています。値段を見ると安いものでは5000円程度から高いものでは10万円を超えるロッドも。そこで今回はなぜロッドはこれほど値段に差があるのかというのを解説していきます。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター加藤隆司)
ロッド開発に携わってきた経験
私自身20年近く総合釣り具メーカーのフィールドスタッフとして、ロッド開発のお手伝いをさせていただいていました。主にソルトルアーロッドの各魚種エントリーモデルからハイエンドモデルまで、様々ロッドを世に送り出してきました。
もうフィールドスタッフは引退させていただきましたが、長年の経験からロッドのことは一般の方より詳しいので、ロッドの作り方や色々裏話等も含めをご紹介できればと思います。
ロッドの作り方とコスト
まずロッドの基本的な作り方は5000円のロッドも10万円のロッドも、素材がカーボンであればかわりません。しかしハイエンドモデルは同じカーボンでも材料と製法が全く異なるため、値段が上がってきます。
ブランクスの値段の差
ブランクスと言われるロッド本体は、素材となるカーボンシートを心金に巻き付け、熱と圧力をかけて製造されます。ブランクスの値段の違いはカーボンシート製造時の圧力と編み方とカットの仕方によってかわってきます。カーボンシート製造時の圧力が高いほど同じブランクスの太さでも厚みが薄く作れるので、より強く軽いロッドが出来上がります。
弾性は圧力で決まる
いわゆる中弾性ロッド、高弾性ロッドというのはこの製造時の圧力のことをいい、高弾性になるほど製造コストがかかるので値段が高くなります。
カットや編み方
カット方法や編み方はねじり剛性、曲がるときの粘りなどの特徴を持たせることができ、こちらも各メーカー、ロッドのクラスにより様々なカット方法と編み方があるので、その製法によってもブランクスの値段に関係してきます。
ガイドの値段の差
しかしながら、ロッドのパーツでブランクスが一番材料費が高いのかと言えばそうではありません。実は一番材料費がかかるのが、ガイドです。一般的なモデルではステンレスガイドフレームとSICリングが主に使用されていますが、ハイエンドモデルではチタンフレームにSICリングに特殊な表面加工を施した物があり、ロッドの中で一番製造コストがかかっています。
チタン製はハイエンド
チタンは加工が難しくレアメタルの一種なので、当然材料費が高いのですが軽くて強度もあり腐食性が強いのでハイエンドロッドのガイドフレームに使用されています。