ブラジルに行く観光客が取るべき安全対策について

上記レポートしたことが、もちろん毎日起きているわけでもありませんし、ブラジルの観光地に行くと100発100中危険な目に合うわけでもありません。とはいえ外務省の海外安全ホームページで確認すると、ブラジルは危険レベル1と分類されており、渡航の際は十分注意が必要とみなされています。それでは、どんな注意を払えば安全に旅ができるか、在ブラジル日本国大使館が作成する「安全の手引き」を参考に確認していきましょう。

「安全の手引き」には防犯の基本的な心構えが6項目挙げられていますが、旅行者にもぜひ知っておいてもらいたいものだけを引用すると、

  • 常に警戒・用心を怠らず、時間・場所・周囲の状況を考慮して行動を計画する
  • 行動場所に応じ、目立たない服装、所持品(貴金属・腕時計)に心掛ける
  • 被害にあった場合は絶対に抵抗しない。(抵抗した場合、拳銃やナイフで攻撃される危険性が非常に高い)
  • 目的地の最新の治安情報を入手し、不用意に治安の悪い地域・地区に出向かない

(以上、在ブラジル日本国大使館作成、2022年2月版「安全の手引き」より引用)

繰り返しになりますが、ブラジル滞在中は警戒・用心を怠ってはいけません。気を抜くと被害に遭う可能性が高くなります。警戒を怠らない場所の例を具体的に挙げてみると、

  • レストランなどの飲食店
    鞄・荷物の管理をきちんと行うこと。鞄を椅子に掛けたり、隣の椅子に置いたりするのはNG。膝の上に置くのがベスト。
  • タクシー
    今やタクシーの中も安全ではありません。鞄は外から見えない足元に置き、スマホは鞄から出さないほうがいいでしょう。信号待ちで車が停車中に、ガラスを割って襲ってくる可能性があるので。
  • 路上
    路上でのスマホの使用はおすすめできません。写真を撮ったり、Googleマップなどのアプリを使用したりしたいとは思いますが、個人情報がたくさん入っているスマホを盗まれては大変です。写真撮影は、デジカメかデータがなにもはいっていない予備スマホを用意するほうが安全です。写真を撮ったらすぐしまうこと。間違っても手に持って歩かないように。今はお金よりスマホのほうが狙われます。
  • 人混みの中(路上、交通機関) 人混みの中を歩くとき、あるいは交通機関内が混雑しているときは、鞄の管理に注意すること。リュックであれば、必ず前に背負うこと。
    また時間にも注意を払わないといけません。例えば、

  • 夜の外出
    夜に外出するのは問題ありませんが、帰りが遅くなる場合は必ずタクシーで帰ること。地下鉄などの交通機関が動いている時間帯でもタクシーを利用することをおすすめします。というのも危険なのは、最寄りの地下鉄から滞在先までの徒歩で、たとえそれが数分の距離であれ、強盗に遭う可能性はゼロではないからです。

  • 夜の移動
    ブラジル国内の移動によく夜行バスを利用する旅行者がいますが、これもあまりおすすめできない状況です。先に報告した事件にもあったように、夜行バスを狙った強盗は、ブラジルでは珍しくありません。予防のためにも避けたほうがいいでしょう。できれば日中移動で、暗くなる前に目的地に着くのが理想です。
  • 夜のビーチ、早朝のビーチ
    特にリオのビーチは道路側から見えにくくなっているため、夜や早朝などの人が少ない時間帯の散歩は非常に危険です。このことを知らない外国人観光客は、どうしても被害に遭いやすくなります。在アメリカ大使館のサイトでも、暗くなってからビーチには行かないよう呼びかけているぐらいです。ビーチから見る日の出は美しいとは思うのですが、ブラジルでは安全に楽しめません。
    「安全の手引き」にも書いてありますが、治安の悪い地域・地区には出向かないことも大切です。

ブラジルでW杯や五輪があったころは、リオでは観光地になっているファベーラもありましたが、その後治安が悪くなり、今ではファベーラツアーも耳にしなくなりました。住民じゃない人がファベーラに行くときは事前にその地域を仕切っているギャングに了承を得るのが当たり前。絶対に興味本意で入ったりしないこと。またファベーラに入らなくても、その周辺にいると突然、銃撃戦が始まって流れ弾に当たる可能性もあるので、とにかく近寄らないこと。

次に大切な心構えは、身なりに関わること。服装は目立たないシンプルなものがベスト。そして、貴金属製のアクセサリーや時計も身に着けない方がいいでしょう。特に、女性はネックレスなどを付けていると、たとえそれが安いものであれ、金属であればひったくられる可能性が高くなります。防犯のためにもブラジル旅行中は、おしゃれは我慢だと思ってください。時計はブランド品などの高価なものでなければ、最近は大丈夫だと思います。

万が一、被害にあった場合は「抵抗しないこと」が一番です。悔しいですが、要求通り所持品を渡してください。犯人は拳銃やナイフで脅すので、抵抗すると、その武器で攻撃してくることが普通です。命が何よりも大切なので、抵抗は絶対しないでください。

ブラジルの危険度は?行く前に絶対知っておくべき治安情報と安全対策
(画像=『たびこふれ』より 引用)

まとめ

ブラジル旅行を計画している人に不安を与えるようなことばかり書いてしまいましたが、上記で述べたことを念頭にしっかりおいておけば、安全な旅ができるはずです。日本では、盗難に遭わないよう常に周囲を警戒するという習慣はありませんが、ブラジルに限らず海外へ行くときは、少なからず警戒心は必要です。

楽しい思い出深い旅にするためにも用心するに越したことはないですよね。

BOA VIAGEM!

文・写真・オシャラ/提供元・たびこふれ

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