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戦う城の強固な装備
絶景の最上階から戦国時代に思いを馳せる

戦う城の強固な装備

城の内部は質実剛健。

1階の中央には籠城の際に城主が使う「上段の間」があります。1段高くした床には畳が敷かれ、床脇には違い棚がある端正な構造ですが、実は奥の木戸の向こうは「武者隠しの間」になっています。張りつめた空気を感じます。

【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!
(画像=<上段の間。背後の戸の奥は武者隠しの間>、『たびこふれ』より引用)

壁に沿って「武者走り」が巡る1階には、天守の入口を側面から防備するための「付櫓(つけやぐら)」や、「石落としの間」が設けられています。いずれも侵入してくる敵兵を上から撃退する設備です。

具体的な戦闘に備えて築城したのがよく解る、武人の覚悟が漂う城です。

【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!
(画像=<付櫓の内部>、『たびこふれ』より引用)
【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!
(画像=<付櫓からの窓からの眺め。真下にある城の入口を側面から守る>、『たびこふれ』より引用)
【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!
(画像=<石落としの間>、『たびこふれ』より引用)

2階には「武具の間」があり、シンプルな構造の武具棚があります。どんな刀や槍が並んでいたのでしょうか。

3階は「破風の間」。外から見たときに優美な「唐破風」の内側は、天井もカーブしていることが分かります。

【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!
(画像=<武具の間>、『たびこふれ』より引用)
【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!
(画像=<破風の間。唐破風の部分はなだらかな曲線>、『たびこふれ』より引用)

絶景の最上階から戦国時代に思いを馳せる

4階の望楼からの眺めは「絶景!」の一言です。犬山城は小高い丘の上のあるため、眼下に濃尾平野や木曽川の雄大な景色を一望できます。木曽川の対岸は岐阜県です。

【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!
(画像=<望楼から西側を眺めると、木曽川に架かるライン大橋と伊木山が迫る>、『たびこふれ』より引用)

木曽川の向こうに目を凝らすと、北西にある金華山の山頂に、岐阜城のシルエットが見えます。思いの外近い...!肉眼でも確認できますよ。かつて斎藤道三や織田信長が、この地を居城としたことで知られています。

【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!
(画像=<北西に見える岐阜城>、『たびこふれ』より引用)

南側の回廊に進むと、こちらからは南西に小牧山城のシルエットが見えます。小牧・長久手の戦いでは、ここに徳川家康の本陣が置かれ、犬山城に着陣した羽柴秀吉と対峙しました。

【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!
(画像=<南西に見える小牧山城>、『たびこふれ』より引用)

英雄たちが戦いの拠点とした城がお互いに見渡せることがよく解り、戦国時代の苛烈さを実感しました。この景色を見ると、戦国時代のドラマや小説やゲームがますます深く楽しめること請け合いです。

望楼からは天守の屋根に乗っている「魔除けの瓦」も見ることができます。亀の甲羅に桃が乗った形で珍しくて可愛い!亀は長寿、桃は邪鬼を払う果実といわれ、城を守るように設置されたそうです。望楼に登ったら遠くの景色だけでなく足元の瓦もチェックしてくださいね。

【愛知】国宝 犬山城と有楽苑~犬山城を内部から・庭園から・橋の上から楽しみ尽くす!
(画像=<唐破風の右手に乗った魔除けの瓦>、『たびこふれ』より引用)

犬山城

  • 住所:愛知県犬山市犬山北古券65-2
  • 営業時間:9:00-17:00(入場は16:30まで)
  • 休日:年末(12/29-31)
  • 料金:大人550円、小・中学生110円 ※周辺施設とのセット券あり