さて、岸田政権が崩壊した場合、次の首相は消去法的に選ばれるはずです。そんな首相はいりません。ならば、岸田氏にやってもらいたいことがあります。国内についてはさっさと実行力を備えた旧統一教会問題にかかる救済法を作ること。次にインフレ対策は所得の低い人への重点的支援、中間層向けには企業への来年春闘に向けた賃金引上げの要請と企業へ従業員に対するインフレ調整金の支給を支援すること、日銀総裁の前倒し交代をこの2か月程度でこなしてもらいたいのです。

次に外交面では日本の位置づけが重視されるとみています。今回の重層的首脳会議を経て岸田氏は一応、日本の顔として知られました。次の大舞台は広島サミットです。そこまでに弱体化するアメリカを補いながら東アジアの安定をどう図るか、です。その最重要ポイントである台湾は無血で中国に統一される公算が私はあるとみています。好む、好まざるにかかわらず、冷静に見てそうならざるを得ない壮大なる準備がなされる気がします。この項は日を改めて書きますが、中国は狡猾で策士です。

その場合、日本は中国とどうディールするか、です。個人的には岸田氏が習近平氏と北朝鮮問題で共同歩調を取れるか、ここにかかってくると思います。つまり、朝鮮半島の安定化、これを日本が中国と一緒に主導できるかではないでしょうか?今の日本の実力では台湾と北朝鮮の両方を思惑通りに持っていくのは無理であり、日本への影響が及ばないようにすることが最大の課題になります。

また、23年に英国がTPP11に正式加盟する日程を踏まえ、新「日英同盟」なる話もあります。だいぶ前に当地の総領事と談笑していた時、私が日英同盟をなぜ復活させないのか、と言ったら一笑に付されました。ですが、今、その話題が水面下で進んでいるのです。何故か、といえば日本は英国と似た条件をたくさん持っていると同時に国際社会から見て考え方が共にユニークなのです。故に日本と英国は潜在的に極めてくっつきやすい関係にあるのです。これがエリート外交官にわかってもらえなかったのは至極残念でした。

政権から短期間で3人、離脱者が出たことは岸田氏にとって頭が痛いと思います。が、閣僚の任命は結局、好きな人を誰でも配置できるわけではありません。派閥という恐ろしく封建的な世界との駆け引きであります。今回、総務大臣が麻生派から出たのも納得なのです。麻生派ありき、だったと私は見ています。そんな政治の世界、もうやめにしたいと思いませんか?6期議員やったら大臣の権利が得られるとかおかしいでしょう。今、喫緊の課題は自民党の改革だと考えています。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2022年11月21日の記事より転載させていただきました。